「プーチンという人は完全に消えてほしい」夫は今も製鉄所に・・・戦勝記念日演説にマリウポリから避難している女性の激しい怒り |TBS NEWS DIG
マリウポリからキーウ近郊に避難している女性。10日に行われた、ロシア戦勝記念日の式典でのプーチン大統領演説に「プーチンに消えてほしい」と激しい怒りを訴えました。女性の夫は今も、マウリポリの製鉄所で戦闘を続けています。「鎮痛剤は3週間前になくなったー」夫から聞いた製鉄所の惨状を、私たちに明かしてくれました。
一方、演説でプーチン大統領は、ウクライナ侵攻を「唯一正しい判断」と正当化し、アメリカを名指しで批判。しかし、具体的な戦果は示さず、戦争宣言もしませんでした。
■「アメリカは全世界を侮辱」プーチン氏演説で語られたのは
5月10日の日本時間午後4時、モスクワ・赤の広場で「戦勝記念日」のパレードは始まりました。
ショイグ国防相
「同志諸君!戦勝77年記念おめでとう」
戦勝記念日は第二次世界大戦で旧ソビエトがナチス・ドイツに勝利したことを祝う日です。
プーチン大統領
「戦勝記念日、おめでとうございます。そして今この時も、諸君はドンバスの人たちと母国の安全のために戦ってくれています」
注目されたプーチン大統領の演説。ウクライナへの侵攻を「正当化」することに時間が割かれました。
プーチン大統領
「クリミアを含む我々の歴史的な土地への侵攻準備が公然と進められていました。ウクライナ政府は核兵器取得の可能性について発表していました」
矛先はNATOにも向けられました。
プーチン大統領
「NATO諸国から最新の兵器が定期的に供給される様子を目の当たりにしていました。脅威は日に日に増していました。ロシアは侵略に対して先制的な攻撃をしました。それはやむを得ない、唯一正しい判断でした」
侵攻は「唯一正しい判断だった」とした上で、アメリカを名指しで批判しました。
プーチン大統領
「アメリカは、特にソ連が崩壊した後、自分たちの優位性について語り始め、その結果、全世界を侮辱するだけではなく、全てを従順に飲み込むしかないアメリカの友好国にまで屈辱を与えていました。私たちは違います。ロシアの国民性は違います」
一方、プーチン大統領は具体的な戦果は示しませんでした。また、国民を広く動員することにつながる「戦争宣言」もありませんでした。
黙祷をのぞいて約10分間に及んだ演説。最後はこう締めくくりました。
プーチン大統領
「大祖国戦争でナチズムを粉砕した人々は、英雄的行為の模範を永久に示してくれました。彼らは勝者の世代であり、私たちは彼らを模範とすることでしょう。勇敢なロシア軍に栄光あれ! ロシアのため! 勝利のため!万歳!」
演説後に行われた軍事パレードでは大陸間弾道ミサイル「ヤルス」や核兵器を搭載可能な戦術ミサイル「イスカンデル」などが登場。
4月のリハーサルで「Z」の編隊で登場した戦闘機は、10日の本番では「悪天候」を理由に航空部隊の登場は中止となりました。
通りを埋め尽くす群衆…。
ナチス・ドイツと戦った兵士や犠牲者の写真を手に市民が参加する「不滅の連隊」といわれるパレードです。日本時間の10日夜に行われ、プーチン大統領も重傷を追った父親の写真を掲げて参加しました。
演説をロシア国民はどう受け止めたのでしょうか。
男性
「素晴らしい印象です。彼は退役軍人や現在の兵士のみんなに対してとても温かい言葉を述べました」
女性
「ドンバスで戦う軍隊も参加したのでとても感動的でした。次回は敗北者(ウクライナ)の旗を足下に投げることが見られると期待しています」
ウクライナのゼレンスキー大統領は・・・
ゼレンスキー大統領コメント
「ナチズムに対する勝利の日に、私たちは新たな勝利のために戦っている。道は険しいが私たちが勝つことは間違いない」
一方、ロシア側が制圧を宣言した南東部・マリウポリではロシア国歌が流れる中、親ロシア派がパレードを行いました。
■「プーチンという人は完全に消えてほしい」マリウポリから避難の女性 夫は今も製鉄所にー
プーチン大統領の演説に憤りを感じている女性がいます。
アナスタシアさん:
プーチンという人は、完全に消えてほしいです。
マリウポリからキーウ近郊に避難しているアナスタシアさん(25)です。
ーープーチン大統領の演説をどんな思いで聞かれましたか?
アナスタシアさん:
プーチンは真実を偽っています。私にとっても5月9日は大事なお祭りでした。私たちは戦争でつらい目にあったひいじいさんや、ひいばあさんから話を聞いて、戦争はどれだけ辛いものかということを覚えています。どうして私たちの世代も同じような経験をしないといけないのですか。こんなに悪意を持って悲惨なことをもたらす人間の心はどうなっているのでしょう
マリウポリでは今も戦闘が続いています。市民の避難が完了したとされる製鉄所では、黒煙が上がるなど、攻撃が再開されています。
アナスタシアさんの夫は、国家親衛隊の兵士で、今も製鉄所の中で戦っています。毎日ショートメールで無事を確認しているといいます。
アナスタシアさん:
彼ら(製鉄所の兵士)には食料品がなく、水も尽きようとしています。自分たちで作った軍…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20220510-6017184)
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