【解説】どう過ごす? “脱・巣ごもり”ゴールデンウイーク
ゴールデンウイークまっただ中、物価高などでお財布事情が苦しい中でも、「ゴールデンウイークの予算はアップしている」という調査結果が出ています。「ゴールデンウイークの過ごし方は?」、「物価高…一番つらい出費増は?」、「“お小遣い”に変化」の3つのポイントについて、詳しく解説します。
■ゴールデンウイークの過ごし方は… “脱巣ごもり”の兆しも
2日昼ごろ、東京・浅草では、晴れたこともあり、人とすれ違うのもやっとなほど混雑していました。5月1日の人出のデータを去年の同日のものと比較すると、浅草では約2倍、お台場では約3倍となっています。
浅草に遊びに来ていた親子に話を聞きました。
埼玉からの観光客
「ここまで来るのは久しぶりです。(息子が)日記の宿題があるので、雷門の絵が描ければいいかなと思って」
都内からの観光客
「娘の希望でアメ細工の体験をしに来て。遊び、全然行ってなかったので、やっと少し動けるかなと」
明治安田生命は、全国の20代から70代の約1600人に「ゴールデンウイークをどう過ごすか?」と聞くアンケートを毎年実施しており、今年の結果が出ています。まん延防止等重点措置が解除されて間もない、3月末に調査したものです。順位は次のようになっています。
1位 自宅で過ごす 56.0%
2位 国内旅行 11.2%
3位 帰省 5.6%
4位 アウトドア 2.9%
5位 遊園地・テーマパーク 1.3%
半数以上の56%が「自宅で過ごす」と答える結果になり、「まだまだ巣ごもり傾向なのかな…」と思われますが、去年の結果と比較してみると、ある“兆し”も見えます。
5位から順に見ると、いずれも少しずつですが、上昇しています。そして2位の「国内旅行」は、去年の4.9%から2倍以上となっています。反対に「自宅で過ごす」という人は、8ポイントほど下がっています。
さらに、「ゴールデンウイークの一世帯あたりの予算はどれくらい?」という質問では、2万9544円と去年の1.4倍に増加しました。去年が非常に少なかったからということもありますが、それでもかなり増えています。
こうした状況を全体でみると、今年は“脱・巣ごもりゴールデンウイーク”の兆しがあるといえそうです。
■物価高の影響うける費用は 3位「光熱費・水道代」2位「ガソリン代」1位は…?
ただ、そのような楽しいゴールデンウイークに水を差している嫌なものが、「物価高」です。
アンケートでは、「物価高」に関する質問もあり、「家計への影響を感じる」と答えた人は51.5%、「今後影響があると思う」と答えた人は36.2%となり、この2つを合わせると約9割にのぼります。
物価高の原因は、世界的な原油高などの資源価格の高騰、それから輸送費が上がっていること、さらには円安も進行していることですが、その影響は本当に幅広いです。一言で「物価高」といっても、あらゆるものが値上がりしています。
「家計の中で最も物価高の影響を感じている費用」、もしくは「今後、影響してきそうな費用」について、アンケートの結果は次のようになりました。
1位 食費 43.2%
2位 ガソリン代 30.6%
3位 光熱費・水道代 23.2%
「食料品の値上げが多くの家計に影響を与えている」という結果でした。
■収入は…「年収減った」が「増えた」人の2倍以上 コロナの影響も
ほかにもアンハッピーなアンケート結果があります。
収入についての質問では、1年前と比較して「年収が減った」と答えた人は28.7%、逆に「増えた」と答えた人は10.5%と、圧倒的に減った人の方が多かったのです。
減った理由について、一番多いのが「企業の業績などで給料が下がった」というもので、ほかにも「出勤日数が減った」、「残業代が減った」という回答がありました。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を非常に色濃く反映していて、宿泊業や飲食業、サービス業などで働く人を中心に、業績低迷などで「給料が減少した」という人が多かったとの調査結果でした。
特に深刻なのが、パートやアルバイトの人への影響です。会社員や公務員などと比べて、「減った」と答えた割合が大きかったのです。時短営業などの影響が鮮明に出ています。
■「夫婦のお小遣い」去年より“増加”なぜ?
少し明るい話題もあります。
「夫婦のお小遣いにどのような変化があったか」という質問では、夫婦2人の月平均の金額は2万7295円と、去年よりも851円増えました。特に変化が顕著なのが夫のお小遣いで、去年から1374円プラスの3万3435円となりました。3年ぶりに増加です。
収入は減っているのにお小遣いが増えている要因については、いろいろなことが考えられます。コロナ禍で外出を控えたことで、それまで外で使っていたお金が貯蓄にまわされ、そして貯蓄が増えた分、「お小遣い増やしてもいいんじゃないか」と考える人が増えたことも要因の1つとみられます。
◇
この春の労使交渉でも、「賃上げする」という業種・企業が増えています。ボーナスにも改善の動きがありますので、物価の上昇に見合うだけのお小遣いの追加を期待したいところです。
(2022年5月2日放送「news every.」より)
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