悪条件重なり電力ひっ迫 職場もお店も寒さに耐えて節電の工夫(2022年3月22日)
東京電力管内で節電が呼び掛けられています。まずは、電力需給についてです。東京電力管内の22日午後4時台の電力使用率は93％でした。東京電力は午後8時以降に広い範囲で停電する恐れがあるとして、より一層の節電の協力を呼び掛けています。
ローソン本社の薄暗いオフィス。駅では一部の券売機が停止しています。
原因の一端が福島県新地町にある火力発電所です。
先日の地震でグニャリと折れ曲がったのは、石炭を陸揚げするための大型クレーン。
発電機が稼働できず、東京電力管内への送電が止まったままになっています。
経済産業省・萩生田大臣：「地震の影響で火力発電所が停止しているなか、本日は東日本は悪天候で太陽光が発電せず、日中の気温は平年より大幅に低く」
悪い条件が重なりました。おりからの電力不足に季節外れの寒さです。
東京は日中も気温が下が続け、午後2時半すぎには1.8度。真冬並みの寒さになりました。
節電を呼び掛ける経産省内。職員は上着を羽織って仕事をしています。
小池百合子都知事：「あのートイレがですね、トイレの便座が温かいお家、最近増えていると思うが、ちょっとレベルを、ほんの少しの話なんですけど下げてみると、東京中の方がなさると大きい意味がある」
政府は東京電力に加えて東北電力管内にも「電力需要ひっ迫警報」を出しました。
新潟市役所では、エレベーターを1基停止。
東北電力ネットワーク・山田利之常務取締役：「ご家庭において、どなたもいないところの照明を消して頂く、不要な待機電源を消して頂く。節電をお願いできれば。東北エリアの予備力はマイナス。それを補うような形で東京エリアから電気を頂いた」
しかし、そもそも東京電力自体、電力が足りていません。
「100％を超えた分は他の電力会社から融通してもらうほか、揚水発電で対応する」と東京電力は説明していました。ところが、発電用の水の残量が正午時点で想定を下回ったといいます。
水がなくなると発電はできなくなります。
萩生田経済産業大臣：「このままでは残念ながら、いわゆるブラックアウトを避けるために地震の当日と同様に広範囲での停電を行わざるを得ない状況が近付いております」
政府は大規模停電を避けるため、22日午後3時から午後8時まで5時間。さらなる節電を要請。
おりしも「まん延防止等重点措置」が明けた22日。飲食店は夜間も通常営業を予定していたはずです。
萩生田経済産業大臣：「少なくともネオンなどの消灯でご協力を頂けたら、ありがたいというふうに思っております」
生鮮食料品を扱うスーパーでは・・・。
生鮮食料品アキダイ・秋葉弘道社長：「急にバチッと停電したら、これはどうしようもない。闇スーパーになっちゃいますからね」
そこで・・・。
生鮮食料品アキダイ・秋葉弘道社長：「倉庫なんですけど暗い状態。普段だとこうやって照明はつけているが、きょうはこういう状態です」
ビックカメラ統括責任者・渡辺豊さん：「政府からの要請を受け、今回50％を目安に55インチのテレビを消している。暖房は20度以下にしている」
静岡県の工場でも・・・。
トキワ電線富士工場・柴田嘉一工場長：「きょうに限っては外寒いけど、現場のエアコンを切っている」
東京電力では、このままの状況が続けば午後8時以降に揚水発電の運転が止まり、200万軒から300万軒規模の停電が発生する恐れがあるとしています。
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