【取材で見えた“無差別攻撃”の実態】「恐ろしかった」キエフで生活…民間人の苦悩
ミサイル攻撃が強まるウクライナ首都キエフに、ジャーナリストの佐藤和孝さんが入りました。そこで見たのは、ロシアによる無差別攻撃の実態でした。
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20日、ジャーナリストの佐藤和孝さんが向かったのは、ウクライナの首都キエフの中心部です。
佐藤和孝さん
「何日か前に砲撃された所でしょ。ぐちゃぐちゃだね」
5日ほど前にロシア軍による攻撃を受けたアパートは屋上部分が崩落し、目の前の通りには、道をふさぐようにがれきが散乱していました。
“攻撃の爪痕”は、別のアパートにも…。
佐藤和孝さん
「ここ、完全に落ちてるね。砲弾が当たったって言っているんですよね」
1階部分が崩れ落ちたアパート。そこには住人の姿がありましたが…。
攻撃を受けた住人
「3階に住んでいたんだ」
母親と一緒に3階で暮らしていたという男性は、部屋が被害に遭ったため、住むところを変えるしかないといいます。
佐藤和孝さん
「使える物を運んでるんですね…みんな、たまんないね」
男性は家財道具を、車に積み込んでいました。
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激化するロシア軍による“無差別攻撃”。民間人が生活する場所も“標的”となっています。
佐藤和孝さん
「市内中心から10キロくらいの所なんですけど、トロリーバスが破壊されてますね」
“近隣住民の足”ともいえるバスは、つぶれて動かない状態になり、待合所は屋根が焼け落ちていました。
そして佐藤さんたちの取材中にも、近くで“攻撃音”が鳴り響きました。
佐藤和孝さん
「近くに落ちたな、ドカンと来たな。スピードあげたよ、車も、退避した方がいいな」
ロシア軍の侵攻に備え、路面電車などを使ったバリケードなども設置されていた首都キエフ。日中、人の姿はほとんど見られなくなっていましたが、このような事態でも、ここで生活せざるをえない人もいました。
佐藤和孝さん
「2日前に攻撃された普通のアパートですよ、人がまだ住んでるし」
話を聞いたのは、キエフにとどまっている男性です。ベランダを見上げて、話してくれました。
キエフで生活を続けるジンチェンコ・セルゲイさん
「あそこにいるのが私の妻、あそこに住んでいます」
2人で暮らすアパートが攻撃に遭いました。
ジンチェンコさん
「ほら、(ガス管の)パイプを見てください…穴だらけになってる」
妻・ニナさん
「ここはちょうど台所で、燃やされてしまって…」
ジンチェンコさん
「ガス爆発で建物全体が、ふき飛んでもおかしくなかったと」
家の中は少しずつ片付けているといいますが、台所の壁には今も、えぐれたような跡がいくつも残っていました。
ジンチェンコさん
「恐ろしかった…正直なところ、生きてるだけ神様に感謝です」
民間人に広がる被害。
佐藤さん
「プーチン大統領に言いたいことは?」
ジンチェンコさん
「言わないでもいいかい…」
ロシアによるウクライナ侵攻開始からまもなく1か月。民間人の犠牲が増え続けています。
(2022年3月21日放送「news every.」より)
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