【ウクライナ情勢まとめ】“無差別攻撃”民間人への被害拡大 キエフ包囲を目指すロシア軍
ロシア軍による“無差別”ともみられる攻撃で、民間人への被害が拡大しています。ウクライナ東部のドニプロでは、空爆で幼稚園や住宅などが新たに被害を受けたということです。ゼレンスキー大統領は「あからさまなテロだ」とロシアを強く非難しました。
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11日朝、ウクライナ東部ドニプロでは、ロシア軍からの3度の空爆で幼稚園や住宅などが被害を受けたといいます。炎に包まれた街で、消防隊員が消火活動にあたっていました。地元当局によると、これまでに1人が亡くなったということです。
10日には、南東部にあるマリウポリで砲撃が撃ち込まれていました。住宅地や病院など“無差別攻撃”を強めているとみられるロシア軍。砲弾が鳴りやまない住宅街では、建物のがれきに挟まり助けを待つ男性の姿もありました。
ロシアによるウクライナ侵攻から2週間が過ぎ、増え続けている民間人の犠牲。
戦火に包まれるウクライナでは、負傷者の数も増え続けています。首都キエフ近郊の病院には、多くの民間人が入院しています。
入院する男性
「(ロシア軍の)戦車が来て、そこに兵士たちがいました。彼らはすぐに、私たちを撃ち始めました」
娘の看病をする母親は「娘は腕にケガをし、夫は指が2本なくなりました」と話しました。
民間人の被害拡大に――
ウクライナ・ゼレンスキー大統領
「我々は人道回廊を機能させるために必要なことを行っているが、ロシア軍は砲撃を止めない」
「これは経験豊富なテロリストによる、あからさまなテロだ」
ゼレンスキー大統領は、語気を強めて語りました。
また、ウクライナの原子力規制当局は、激戦地となっているハリコフで、核物質を扱う研究施設が10日、2度目の攻撃を受け、敷地内の建物が損傷したとしています。
首都キエフの包囲を目指すロシア軍。アメリカのNBCテレビによると、アメリカ国防総省の高官は、ロシア軍が首都キエフの中心部から北西は15キロ地点まで近づき、東は40キロ地点に到達した可能性があると分析。情勢は流動的としながらも、今後1~2週間でキエフを包囲することが可能だとしました。
キエフの東に位置するブロバルイで撮影された映像には、列をなし進軍するロシア軍とされる戦車が映っていました。しかし、激しいウクライナ軍の攻撃が続き、一斉に戦車が引き返していきました。
キエフへの入り口付近で行われる戦闘。激しい攻撃を受けているキエフの西イルピンでは10日、民間人の避難を警察や兵士などが誘導し、川を渡るよう促していました。
警察
「こんなところで止まらないで。急いで移動して」
故郷を追われる人たちは、「すべてが爆撃される。耐えられるだけ耐えた」と涙を流しました。
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ジャーナリストの佐藤和孝さんが取材するウクライナ西部の町、リビウ。
日本語教師 カトリーナさん
「ここは道場です。そして体育館に難民がいます」
この場所で日本語を教えているというカトリーナさんが、日本語で案内してくれました。実はここ、普段は日本語や合気道などの武道を教えている学校で、現在、避難所として開放していたのです。
――どこから来た人が多い?
日本語教師 カトリーナさん
「キエフとハリコフ」
50人ほどが利用しているということです。
そして、国外に避難した子供は100万人を超えています。ポーランドの避難所で出会ったのは、アポリーナちゃん(11)。
キエフから避難したアポリーナちゃん(11)
「私たちの国が攻撃されました。なぜかはわかりませんが、とても悲しいです。お父さんに早く会いたいです」
生まれ育ったキエフにはお父さんが残り、お母さんと妹と避難してきたといいます。この状況下でも、アポリーナちゃんは妹を気にかけていました。
キエフから避難したアポリーナちゃん(11)
「今の状況が落ち着いて、平和になることを期待します」
そして、母と妹と共に再び移動することに。アポリーナちゃんは「ドイツには友達がいるの」と話し、バスでドイツへと向かいました。
(2022年3月11日「news every.」より)
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