世界遺産の仁和寺前に高級ホテル建設計画「住環境が悪化するとは言えない」住民らの訴え棄却 京都地裁

世界遺産の仁和寺前に高級ホテル建設計画「住環境が悪化するとは言えない」住民らの訴え棄却 京都地裁

世界遺産の仁和寺前に高級ホテル建設計画「住環境が悪化するとは言えない」住民らの訴え棄却 京都地裁

 世界遺産・仁和寺の門前で高級ホテルを建設する計画をめぐり、住民らが建設の特例許可の取り消しを求めた裁判で、京都地裁は23日、住民らの訴えを退ける判決を言い渡しました。

 京都の世界遺産・仁和寺の門前で進む高級ホテル建設の特例許可の取り消しを求めて争われている裁判。仁和寺は1000年以上前に創建され、明治維新まで代々皇族が門跡筆頭を務めてきた皇室にもゆかりの深い寺です。

 その門前で進む高級ホテル建設プロジェクト「京都御室花抄伝(きょうと・おむろ・かでんしょう)」。
 延べ床面積は約5800平方メートル、地下1階、地上3階建てのホテルを建設する計画に、昨年6月、周辺住民ら51人が「待った」をかけました。

 住民側
「地域の住環境の悪化は避けられない」

 原告住民らによると、仁和寺の前を通る「きぬかけの路」は金閣寺や龍安寺とつながっていて、ホテルが建つことで渋滞が増え、住宅街が抜け道として使われるなどと主張しています。

 さらにユネスコは、世界遺産の周辺環境は遺産と同様に守らなければならないとしていて、京都市も仁和寺を「歴史的風土保全区域」に指定するなどして景観の保全に努めています。

 ホテルが建設される場所は、これまで荒れ地で、結婚式場やコンビニ、ガソリンスタンドなど、さまざまな計画が持ち上がりましたが、住民側は「門前にふさわしくない」として反対してきました。

 地元住民
「反対のほうですね。やっぱり景色とか環境とか全部変わってくるからね」
「道が混むとかになったら、地元民としてはちょっと不便かなと思うんですけど、特に問題なかったらいいかな」

 また建設予定地は、延べ床面積が3000平方メートルを超える宿泊施設は建てられない「第一種住居地域」に指定されていますが、京都市は「住環境を害するおそれがない」などと判断し、「特例許可」を出しました。

 その「特例許可」の取り消しをめぐって行われた今回の裁判。ホテル建設によって住環境が悪化するとは言えないとして、住民側の訴えを退ける判決を言い渡しました。

 原告団
「非常に憤りを感じています。50年後、100年後も京都が京都であるために、今回のような行為を認めてはいけない」

 原告側は判決は不服として、控訴する方針です。

◇◇◇

(中谷しのぶキャスター)
 まず建設予定地がこちらです。仁和寺の門前、向かいにある土地になります。
 建設中なのが大型ホテル「京都御室花抄伝」で、今年8月に完成予定です。地上3階、地下1階、客室数67室で、延べ床面積は約5800平方メートルです。

 このホテル建設地を拡大して見ると、建築基準法では、宿泊施設の延べ床面積が3000平方メートルまでという区域と、宿泊施設を建ててはダメですよという区域にまたがっている場所なんです。

 そこに、京都市は特例許可を出しています。その理由としては、「居住環境を侵害するおそれがない」ということなんです。経済や地域活性化に貢献する質の高い計画については、京都市は、特例制度でホテルの建設許可を出していると。

 それでは裁判の争点です。それぞれの訴えを見ていきます。

 まず「交通量」です。
 原告側は、市バスの渋滞がさらに悪化して、その渋滞を回避しようと抜け道を利用する人が増えるのではないかと訴えていました。

 一方の京都市側は、無料の送迎バスを運行したり、交通ルートを事前にタクシー会社などに事前に周知するなどして、対策しますと主張していました。
 きょうの判決では、送迎バスを利用するならば、交通量は1%増えるにとどまる予想だとしました。

 一方、「住環境」についてです。
 原告側は、騒音・臭気・振動・宿泊客のマナー問題などがあると主張します。
 京都市は、ホテルの計画として、喫煙室をホテル内に作ったり、池垣を作る予定だったのをコンクリート塀に変えるなど、対策をしますと主張していたわけなんです。
 きょうの判決では、防音対策をした場合、騒音が増えるとは言えないということで、総合して言うと「特例許可を出した市長の判断は、合理性を欠くとは言えない」としました。

 (横須賀ゆきの解説委員)
 この裁判を起こしたことで、ホテル側も住民側の要望に応える形になっています。できれば、裁判を起こす前からもっとよく話し合って、合意形成できなかったのか。ホテルは、周辺住民の人でも使う人が出てくると思うんですよね。であるならば、ホテル側はもっと地域に馴染みたいと本来思っていると思うので、きっと接点を見出せるはずだったので、訴訟に発展する前に何とか合意形成できたんじゃないかなと、改めて思う構図ですね。

 (中谷キャスター)
 今回の判決について原告団は、「今回の判決はずさん極まるもので、控訴し、引き続き闘う決意」だということです。

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