「とにかく立て直さなあかん」「当初の経営トップが主導」大阪のメーカー粉飾決算 元専務が認める
銀行にウソの決算報告書などを示して5億円分の融資枠をだまし取ったとして、大阪市の医療機器メーカーの元社長と元専務が逮捕されました。
元専務は逮捕前の取材に、「歴史を終わらせるわけにはいかなかった」と粉飾決算を認めました。
白井松器械の元専務 羽田同徳 容疑者
「とにかく白井松器械を立て直さなあかんという、歴史をここで終わらせるわけにはいかないという思いでずっと続けてきたのは事実なので、決してだましてやろうという考えではなくて…」
読売テレビの取材にこう釈明していたのは、30日逮捕された医療機器メーカー「白井松器械」の元専務、羽田同徳容疑者（68）です。
警察によりますと、羽田容疑者は元社長の弘野俊彦容疑者（62）と共謀。2022年12月から去年3月にかけて、 実際には赤字状態だったのに、利益が出ているように粉飾した決算報告書などを銀行に示して、事業を拡大すると装い、合わせて5億円分の融資枠をだまし取った疑いが持たれています。
創業150年を超える「白井松器械」。2000年ごろから競合他社の参入などで経営が悪化し、粉飾決算を続けていたとみられています。さらに追い打ちをかけたのが新型コロナウイルスの影響で、借入金がかさんだ会社は去年9月、倒産しました。会社の代理人弁護士によると負債総額が約33億円にのぼっていました。
（Q、代表取締役になって以降、粉飾決算を黙認していた？）
白井松器械の元社長 弘野俊彦 容疑者
「すみません。申し訳ないです。弁護士の先生に」
（Q、黙認していないですか？）
「………」
元社長の弘野容疑者は取材に応じませんでしたが、元専務の羽田容疑者は、歴代の社長から粉飾決算の指示があったと認めました。
白井松器械の元専務 羽田同徳 容疑者
「私の記憶では（粉飾決算を）20年は やっていたと思います」
（Q、羽田さんが主導していた？）
「いや違います。私は当時係長だったので、経理にいた関係で（関わった）。当初の経営のトップの人が、もう亡くなったが、その人が主導してスタートを切っています」
（Q、その人が亡くなってからは？）
「歴代の経営のトップが引き継いで（粉飾決算を）やっていたという流れです。一時的な経営の立て直しのために、つなぎとしてやってほしいというか、やりなさいと。決して責任逃れするわけではないですけど、今は本当に後悔しています」
警察は弘野容疑者らが容疑を認めているかどうか明らかにしていませんが、借入金の返済資金を得るために金をだまし取ろうとしたとみて調べています。
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