平均年収は約357万円…空港の“地上スタッフ”不足で飛行機が飛ばない!?求められる“待遇改善”|TBS NEWS DIG
今、空港の地上業務のスタッフが足りず、新たな飛行機が飛ばせない事態が起きているのをご存じでしょうか。コロナ明けの観光需要の回復に水を差す恐れも出ています。
岡山空港の滑走路。離陸に向かう航空機を移動させているのは「グランドハンドリング」と呼ばれる地上で働くスタッフです。
担当するのは航空機の誘導や荷物の積みおろし、チェックインカウンターでの業務など多岐にわたります。まさに、航空機の運航には“欠かせない存在”ですが、今…
両備ホールディングス 槙尾恵 執行役員
「コロナ前は旅客も含めて160人いたが、現在は117名」
新型コロナの流行をきっかけに、地上スタッフの人員不足が深刻化し、岡山空港では40人以上が退職。海外への往来が再開された今でもカウンター業務の一部を同じグループのバス会社の社員に頼らざるを得ない状況です。
両備ホールディングス 槙尾恵 執行役員
「人員が減っているので、その分1人当たりの業務量が増えている状況」
こうした問題は日本最大の成田空港でも…。今、国際線の需要増加に伴い、航空会社から増便の要請がありますが、地上スタッフの体制では全ての要請に対応できないため、新しい飛行機を飛ばせない事態も一時は起きていました。
成田国際空港 田村明比古 社長
「いろいろ各社のご協力をいただきながら改善をしてきた。地道に努力を積み重ねて、人材不足に対応していきたい」
こうした事態を受け、ANAとJALでは新たな取り組みを開始。
全日空OSCグランドハンドリング企画部 長岡正記さん
「相互の資格を承認できるようにしていきたい」
地上スタッフは航空会社ごとに資格を取得する必要があり、働き手を確保するうえでのハードルとなっていました。
その資格を一本化することが決まったため、今後、両社の業務に携われるスタッフが増えることが期待されています。
また、関西国際空港では荷物の積みおろしにかかる人の数を減らすため、特殊なベルトコンベアを導入しました。
ANA関西空港グランドサービス部 松本英樹さん
「省力省人化をしっかりと推進していかなければならない」
そして今、地上スタッフを増やすために求められているのが“待遇の改善”です。
国内で働く人の平均年収はおよそ458万円。一方で、「グランドハンドリング」の平均年収はおよそ357万円にとどまっています。現場からは…
両備ホールディングス 槙尾恵 執行役員
「全体的な航空業界の賃金をみると、他業種に比べるともっと上げていかなくてはいけない。もっと魅力のあるものにしないといけない」
需要が伸びる訪日外国人客を取り逃さないためにも、航空業界のさらなる改革が求められています。
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