「建築は命を守るもの」地震を知らない子どもたちへ　聞いて触れて地震と建物の安全性を学ぶ講座

「建築は命を守るもの」地震を知らない子どもたちへ　聞いて触れて地震と建物の安全性を学ぶ講座

　建築に興味を持つ子どもたちが地震と建物について学ぶ講座「こども建築塾」が13日、大阪で開かれました。災害を直接知らない子どもたちに今、伝えたいこととは。

　「黙とう、はじめ」

　「こども建築塾」では、まず能登半島地震で犠牲になった人たちへ黙とうをささげました。

　この講座は大阪市の建築事務所が、小学4年生から高校生までの約40人を対象に建築を基礎から学んでもらおうと開きました。

　「こういった厳しい自然にも対応していかないといけない」
一級建築士の廣重圭一さんが阪神・淡路大震災の写真などを見せながら、子どもたちに建物の安全性について語りました。

　類設計室・一級建築士　廣重圭一さん
「ここの階がぺっちゃんこになっちゃった。これも、ある階がぺっちゃんこになっちゃった。だから、みんながいるここの柱が全部壊れてこの床がボーンって下におちてくる」

　子ども
「怖すぎる」

　廣重圭一さん
「こういうことがたくさん起きて、6000人を超す人たちが亡くなってしまったっていうことですね」

　廣重圭一さん
「自然の摂理って忘れがちなんですよね、やっぱり。でもそこは重要ですよってことを伝えたいし、次の世代を担う子どもたちに少しでもそれを感じてもらえたらいいかなと」

　この事務所で建築士を目指す田中智基さん（18）は、祖父母の家がある石川県に帰省中能登半島地震に遭いました。

　類設計室・経営統括部 田中 智基さん
「僕が避難できたのも建物が崩れなかったからです。
建築っていうのは、命を守るものっていうところが第一にあります。安全安心な建物っていうところが、絶対にここは抜かしてはいけないところです」

　講師の説明
「プリンとようかんを大きく揺らしたり小さく揺らしたりして、どんな揺れ方の違いがあるか見てください」

　地盤の固さによる揺れの違いを身近なものを使って学んだり…

　子ども
「大きい方が揺れるって書いたで」
　子ども
「これが一番揺れる。これだって上だけやもん、揺れるの」

　揺れに強い建物の模型を作ったり。子どもたちは建築に必要な知識を楽しみながら学びました。

　子ども
「こうこうこうこう」
「あーなるほど！」
「そっち側穴開けて！」
「おー！いいね、いいね、すげぇ、これ！」
（Q：どんな模型作るの？）
　 子ども
「見た目も大切だけど、まずは安全第一」

　チームごとに作った建物を実際に揺らしてみると…

　「おっすごい！あっすごいすごいすごい強い強い！よかった、耐えた耐えた！！」

　高校2年生の生徒
「見た目も意識しながら、耐震っていう強さの部分でこだわれたかなと思います」
「おーーーーー！揺れるけっこう揺れる！すごーーい」
「おー！おー！あーーーーーーー！（失敗）」

　小学5年生の児童
「倒れにくいようにとか（今まで）全然考えられなかったので、そういう意味ではすごい成長したなと感じました」
　中学3年生の生徒
「建築の奥深いところまで知れて、また今後に活かせそうだなと思いました」

　災害は、いつ自分の身に降りかかってくるかわかりません。「こども建築塾」は今後も備えることの大切さを伝えていきます。
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