「イスラエル軍ほど卑劣なものはない」16歳の息子が射殺された父親の怒り “急襲作戦”の標的となるヨルダン川西岸|TBS NEWS DIG
イスラエル軍はもう一つのパレスチナ自治区ヨルダン川西岸でも 抵抗勢力に対する攻撃を続けています。JNNは急襲作戦のターゲットとなっている北部ジェニンを取材しました。
ヨルダン川西岸地区ジェニン。イスラエル軍はパレスチナ人の抵抗勢力を掃討する「対テロ活動」として、連日、空爆や地上からの攻撃を繰り返しています。
記者
「ここでは連日のようにイスラエル軍による急襲作戦が行われていて、こちらはモスク、そしてすぐ隣には民家がありますが、こういった場所への攻撃によって民間人への被害が止まりません」
モスクは跡形もなく破壊され、市民が暮らしていた民家も大きな被害を受けています。
10月7日、イスラム組織ハマスがイスラエルを襲撃して以降続くガザ地区での戦闘。実はガザだけでなく、ヨルダン川西岸地区も攻撃対象となっていて、戦闘開始以降、ここジェニンだけで74人のパレスチナ人が死亡しました。
イスラエル側は「テロリストを殺害した」と主張していますが、無関係の市民が巻き添えになっているのが実態なのです。
ジェニンの病院のマネージャー
「イスラエル軍は全てのゲートを封鎖し、この広場に立っていた子どもが撃たれたのです」
モーサ・カティーブさん(16)。14日、ジェニンにある病院をイスラエル軍が急襲した際、銃撃を受け、死亡したということです。
友人
「前日の夜に電話があって、『見舞いに行くけど何かいるかい?』と。サンドイッチを2つ持ってきてくれてました」
交通事故で入院した友人を気遣い、毎日のように見舞いに訪れていたモーサさん。イスラエル軍が病院を包囲したと聞き、様子を見に外に出たところ、突然、兵士に撃たれました。胸を撃ち抜かれ、ほぼ即死だったといいます。
モーサさんの父親は、ある写真を見せてくれました。
モーサさんの父親
「路上で果物を売っていました」
足が不自由で働くことができない父親に代わり、学校に通いながら働いていたというモーサさん。彼を知る誰もが「家族や友達思いの優しい少年だった」と話します。父親は怒りを露わにしました。
モーサさんの父親
「イスラエル軍ほど卑劣なものはない。私たちがそれぞれ武器を持っていれば仕返しができたのに」
一方、イスラエルは多くの民間人の犠牲が出続けるなかでも必要な限り、ヨルダン川西岸地区での作戦を続ける構えです。
ジェニンの病院のマネージャー
「毎日繰り返されるこうした出来事を誰も止めることはできません。どんな団体でさえも、イスラエル軍には何もできないのです」
ジェニンの人たちから聞かれた、絶望。国際社会は何もできないのでしょうか。
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