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高さ2mの“ハチミツ”狙い…脅威の執着心“エサ求め”あの手この手一部始終(2023年11月28日)
■ツキノワグマ 食への“執着心”
立山カルデラ砂防博物館 白石俊明学芸員:「ツキノワグマの食物に対する執着心は非常に強い。警戒を続けないといけない」
クマの食べ物に対する強い執着。近年の調査で、その実態が分かってきました。
2歳から3歳ほどの雄のツキノワグマが調査のため山に仕掛けた杭に前足を置いて立ち上がります。見上げる先にはバケツが。中にはクマが好むハチミツが入っています。
信州ツキノワグマ研究会 浜口あかりさん:「ツキノワグマは胸に月の輪の模様があり、個々に形が違うので、クマを立ち上がらせた状態で正面から撮影することで識別する調査をしている」
信州ツキノワグマ研究会は25年以上にわたり、長野県内で研究を続けています。目的は野性のクマの個体を追跡調査すること。餌付けになってはいけないので、ハチミツはクマが届かない位置、2メートルほどの高さにつるしています。ところが、人間の想定を超える事態が…。ロープに前足を掛ける雄グマ。すると、後ろ足も。細いロープに乗ろうとしています。画面の上側にはハチミツが…。
実は、2カ月前にも同じ場所に現れたクマです。月の輪の模様から同一個体であることが分かっています。
信州ツキノワグマ研究会 浜口あかりさん:「かなりハチミツに執着している。欲しいという欲求が強い行動が見られる」
確認できているだけでも、このクマは2カ月の間で4回、出没。驚異的な「執着心」と「身体能力」でロープの上に立ち、ハチミツを捉える姿が映っていました。
ハチミツへの執着が強い雄グマが最初に映ったのは6月。2カ月後の8月にも現れます。画面上側につるしてあるハチミツを取ろうとしてロープに足を掛けますが…。立ち上がっても1メートル30センチほど。高さ2メートルのハチミツには到底、届きません。その後、クマは去っていくかと思ったらすぐ近くの木に登り始めます。すると枝がしなる様子が…。自動撮影カメラは一度、停止。その10秒後、再びクマの姿が映ります。実はこの時、想定外の事態が…。
信州ツキノワグマ研究会 浜口あかりさん:「前よりも(ハチミツを)高めに設定して取られないようにしていたが、奥の方の木に登って取る。我々も想定していなかった方法でアプローチされた」
枝がしなり、クマも地面に落ちたとみられます。それでもなお、頭上にぶら下がるハチミツに執着するクマ。
信州ツキノワグマ研究会 浜口あかりさん:「基本的に野性のなかではハチの子を食べるためにハチの巣を襲うが、ミツバチの養蜂被害も出ていて、ハチミツもハチの子も両方食べられる。かつ甘いものでクマもすごく好き」
この後、人間の想像をはるかに超える行動に…。ロープの上に立ったのです。バランスを取りながら上のロープにつるされたハチミツ入りの容器を前足で挟むと、驚異の執着でハチミツの容器を壊し、なめ始めました。
信州ツキノワグマ研究会 浜口あかりさん:「これが欲しいとなった場合の執着、欲求をしっかり知恵を働かせながら取ろうとする姿は賢い生き物だとつくづく思う。どうやれば(ハチミツを)取られないのか毎度、改良しながら工夫して実施している」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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