拳銃立てこもり交渉の一部始終 “人質の勇気ある行動”事態が急転(2023年11月1日)

拳銃立てこもり交渉の一部始終 “人質の勇気ある行動”事態が急転(2023年11月1日)

拳銃立てこもり交渉の一部始終 “人質の勇気ある行動”事態が急転(2023年11月1日)

 埼玉県蕨市の郵便局に拳銃を持って立てこもり、男が逮捕された事件。動機について男は「交通事故によるトラブルが原因だった」と話しています。8時間にも及ぶ立てこもり事件。突入のきっかけは男が電話を手に取ったその時でした。

■「医師に会わせろ」やりとりが…

 逮捕されたのは鈴木常雄容疑者(86)。

 現場にいた人:「訓練だと思った。男もそんなに暴れてる感じでもないし訓練かなと」

 珍しく利用者が少なかったという先月31日午後2時。

 鈴木容疑者:「拳銃を持っている」

 8時間にも及んだ立てこもり事件。事態を動かしたのは“人質”の勇気でした。

 近所の人:「ガラス越しには見えたが、ピストルをこうやって。(ピストルを)振り回しながら」

 興奮状態の男がいる局内に職員の20代と30代の女性2人が取り残されました。一刻を争う午後4時。立てこもり事件で犯人の説得・交渉を行う県警の「説得交渉班」が電話で接触を始めました。男は捜査員に対し、直前に発砲事件があった病院の「医師に会わせろ」と要求したといいいます。女性2人が人質となる厳しい状況のなか、捜査員は…。

 交渉役の捜査員:「人質を解放してくれないか」

 交渉開始から3時間。男への説得は成功。女性1人が午後7時すぎに開放されました。出てきた女性はしっかりとした足取りで振り返り、深くおじぎをしました。

■“人質の勇気ある行動”事態が急転

 その後は再び膠着(こうちゃく)状態に。動いたのは午後9時ごろでした。男が捜査員と電話で話している隙を見て、女性は逃げられたといいます。捜査員が続けていた男への電話交渉。とっさの判断で女性は逃げることができました。

 そこから事態は急転。勇気ある女性の行動で局内の人質はゼロに。

■突入の瞬間 男が電話を手に…

 一方、男は火が付く可能性があるものを持っている恐れが浮上。さらなる大惨事を防ぐ必要があると判断した警察は特殊部隊が電話の交渉中を狙い突入。男の片手が電話でふさがっている隙を狙いました。

 元埼玉県警の佐々木さんは…。

 元埼玉県警 捜査1課 佐々木成三さん:「電話でコミュニケーションを取るということは容疑者が(郵便局の)どの電話に出ていたのかという情報もあるので、容疑者がどこにいたかも把握しながら交渉を続けられた。容疑者に隙を作ることも踏まえて粘り強く交渉していたと感じます」

■「事故の対応不満」語った動機

 犯行の動機が少しずつ見えてきました。郵便局員が運転するバイクと物損事故があったという容疑者。その時の対応に不満を持っていたと話しています。

 鈴木常雄容疑者:「郵便局の人と話したかった」

 また、直前に起きた2人が負傷した病院での発砲事件。鈴木容疑者が通院していて、診察に不満があったなどとも話しているということです。

■事件直前の様子「バイクで…」

 男が住んでいたアパートは変わり果てた姿となっていました。自宅に放火したと話す鈴木容疑者。炎が上がる直前、隣人は容疑者の様子を覚えていました。

 鈴木容疑者の隣人:「(容疑者が)バイクで出て行った後にしばらくして“ドン”と。だからおじちゃん(容疑者)いなかった」

 容疑者が出て行った直後、火が上がったそうです。

 鈴木容疑者の隣人:「焦げ臭い。地震かなと思った。上からすすみたいなものが落ちてきて、ただ事じゃないと思って、外に出たら火が出てたから(自分の)お父さんと2人で『早く逃げろ』と」

 アパートは市の道路拡張事業に伴い、立ち退きの対象になっていました。

 鈴木容疑者の隣人:「引っ越す準備しているのかなと。物の出入りをしていたから。アパートを2月で引っ越さないといけないということだった。立ち退きで」

■「話し好きいい人」粗暴な面も

 男の素顔。ある“二面性”が見えてきました。

 近隣住民:「道路で会うと自転車で夏には『ジュースあげるよ』と。個人の付き合いはないけど風呂で会う。公民館に風呂入りに来る。優しいもん彼、話し好きでしゃべり出すと。最後はお巡りさんの言うこと聞くと思っていた」

 戸田市内在住の60歳以上が入れる風呂を利用していたそうです。

 利用者:「一緒に風呂入ったり将棋やったり、俺らには良い人だよ、冗談言ったり。お茶飲むかいって言ったらお茶買ってきてくれたり。金は困っていない」

 ただ、“粗暴な一面”を見た証言も相次いでいます。

 鈴木容疑者をパチンコ店で見掛けた人:「週に5回とかは見てる感じ。服装はテレビに映ったまんま。(玉が)出てない時かな、やっぱり台に当たるような、ちょっと気性が荒いのかなと感じたことある。バンだったり、たたいたりはあった」

■「テレビを投げ」 近隣住民語る

 隣人は“ある口癖”を覚えていました。

 鈴木容疑者の隣人:「いつも『この野郎』『馬鹿野郎』なんて切れ出す。何かあると『馬鹿野郎ぶっ殺すぞ』なんて言うんで。あいさつしたら『もうお前んちとは関わりたくねえ』からとか急に切れ出した。優しいは優しい。急に切れ出すと怖いけど」

 容疑者のある行動。何度も目撃されていました。

 鈴木容疑者の隣人:「ドン!ダン!という音だけだったから、すぐテレビぶっ壊して、窓からテレビをぶん投げてたから。『ああ、また壊したんだね』という感じで何度もありました。すぐテレビ買ってました、毎回のように」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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