「まだまだスタート」元妻が旧統一教会信者の橋田さん 政府が『解散命令』請求、教団は徹底抗戦の構え
政府は13日、旧統一教会への解散命令を東京地裁に請求しました。一方、安倍元首相を銃撃し、「政治と宗教の問題」を浮き彫りにした山上徹也被告（43）の公判前整理手続きも始まり、大きな節目を迎えています。
橋田さん「（長男には）まだまだ報告はしません。まだまだスタートですから」
13日、私たちのインタビューに答えた橋田達夫さん（65）。元妻が旧統一教会の信者で、長男は自ら命を絶ちました。安倍元首相の事件以降、一貫して教団の「解散」の必要性を訴えてきました。
橋田さん「教会がいまでも一切謝罪していないじゃないですか。『自分たちは正しい』と。まだまだですよ、本当に」
盛山文科相「客観的事実が明らかになったことから、文部科学省としては解散命令が相当と認めて請求を行いました」
文部科学省がこの日東京地裁に請求した旧統一教会に対する解散命令。宗教法人が「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為など」があった場合に、裁判所は解散を命じることができるのです
これは文化庁が公開した20箱の段ボール。旧統一教会への質問権の行使や、被害者からの聞き取りで得た約5000点の資料で、裁判所に提出する予定です。
これまでに解散命令が請求されたのは「オウム真理教」と、「明覚寺」（みょうかくじ）の2件のみで、いずれも解散命令が出されています。
ただ、この2つの法人は、いずれも刑事事件で有罪となっていて、今回、「献金行為などが民法上の不法行為にあたる」とする旧統一教会への請求理由を裁判所がどう判断するかは不透明です。
なぜ、このタイミングで請求を行ったのでしょうか。
政府関係者「（解散命令請求を）出さないという選択肢は、途中から無くなった。見送れば政権は持たない」
”統一教会”韓鶴子総裁「『ワンオンマ（王なる母）』に会えば全てが解決されるのだ！」「私が『ワンオンマ（王なる母）』だ！母と一つにならなければならない」
これは9月、旧統一教会のトップ韓鶴子（ハン・ハクチャ）総裁とヨーロッパの信者たちが集まったときの映像です。布教活動を続ける一方で、12日夜、韓国の教団本部が解散命令請求について声明を発表しました。
韓国の教団本部「本部の立場として道義的責任を感じている。日本社会からの信頼を受けられる、新しい“教会文化”を作っていく」
ただ、日本側は「文部科学省は具体的にどの法令に違反しているのかを明確にするべきだ」などとする陳述書を裁判所に提出するなど徹底抗戦の構えです。
こうした中、教団が注目を集めるきっかけとなった、山上徹也被告の1回目の公判前整理手続きが、この日午前、奈良地裁で行われました。
当初は本人が出席して、6月に始まる予定でしたが、直前に「不審な段ボール箱」が裁判所に届き、急きょ中止となりました。山上被告はこの日は欠席で、こうした事情を考慮したとみられます。
現在、大阪拘置所に勾留中の山上被告は、旧統一教会の解散命令請求について…
山上被告の弁護士「（山上被告）本人は拘置所で新聞を読んでいますので、報道されている動きは知っていてる。（解散命令請求に）もちろん関心はあります」
一方、教団との関係について、疑惑がもたれた細田衆院議長がこの日、会見しました。
「特別な関係はございません。これまでも呼ばれれば出る程度の問題でございます」
（Ｑ．（教団の）広告塔になったという認識は？）
「ないんですよ。自民党の人たちはいろんなパーティに呼ばれますけど、そんなことはないと思います」
細田氏は、体調不良を理由に議長を辞任すると表明しましたが、教団とのつながりについては「問題はなかった」と述べるにとどめ、会見も50分ほどで打ち切りました。
解散命令に向けて政治は一歩踏み出しましたが、本当の被害者救済につなげることはできるのでしょうか。
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