台風7号が上陸 各地で大荒れ 過去に被害…関西空港や渡月橋などの対策は?【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年8月15日)

台風7号が上陸 各地で大荒れ 過去に被害…関西空港や渡月橋などの対策は?【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年8月15日)

台風7号が上陸 各地で大荒れ 過去に被害…関西空港や渡月橋などの対策は?【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年8月15日)

 気象庁が、15日午前5時前に和歌山県潮岬付近に上陸したと発表した。災害が起きる恐れが高まっているとして、京都府に記録的短時間大雨情報を6回相次いで発表。舞鶴市では商店街の道路が冠水した。

■台風7号 近畿地方を北上中

 台風7号は深夜から朝にかけ、各地で大雨などの影響を出している。

 三重県熊野市では、停電が発生。市内では、倒木や看板が風で飛ばされたり、ガードレールがめくれてしまっている。

 台風7号は午前5時前、和歌山県潮岬付近に上陸。今後、あまり速度を上げずに近畿を縦断するとみられている。

■風でかき消される…防災無線の音

 紀伊半島では、14日夕方から大荒れの天気となった。

 午後5時ごろの和歌山県那智勝浦町。木々が風で揺れ、強く雨が吹きつける。すると次の瞬間、雨風はさらに強くなり、視界が白くかすんでいく。木は激しく揺れ、雨粒は屋根を波打つようにたたき付ける。

 さらに、海の様子も短時間で一変した。

 14日午後4時半ごろの様子。岩にぶつかった波が高くしぶきをあげているが、目の前の島は、はっきりと目視できる。その1時間半後、窓を打ち付ける雨音が大きく音を立て、視界不良となり、目の前にある島がうっすらと見える程度だ。

 満潮直後の午後6時。海面は岸の高さまで上昇し、岸の上にまで波が押し寄せた。波しぶきは、堤防を越えているのが分かる。

 時間が経つにつれ、強くなっていく雨風。防災無線の音も激しい風の音にかき消される。

 那智勝浦町では、全域に警戒レベル4にあたる避難指示が出された。

 避難してきた住民:「朝方がえらいみたいね。家よりかはずっと安心」「(Q.家は川沿い?)そうですね。後ろは山やしね。このまま過ぎてくれることを祈るばかり」

 地面にたたき付けるような雨と、うなるような風の音。那智勝浦町では、14日午後8時に暴風域に入った。

 14日午後7時、暴風域に入った串本町でも、激しい雨風となった。

■京都に猛烈な雨 道路が冠水「初めてのこと」

 台風7号の影響で、15日未明、京都の舞鶴市や福知山市付近では、1時間におよそ110ミリの猛烈な雨が降ったとみられる。

 横風にあおられながら激しく打ち付ける雨。雨どいからは、勢いよく雨水があふれ出している。

 冠水した商店街を恐る恐る歩く人の姿も見られた。道路もまるで、川のように冠水しているのが分かる。

 動画を撮影した男性:「あまりにも短い時間で降ったので、舞鶴はそんなことないだろうって、みんな思ってるので。(激しい雨が)恐怖で怖いし、初めてのことだったので、これは逃げたほうがいいかなと。(道路が冠水して)車が動けずに、渋滞みたいになっていた」

 敷地が浸水するのを防ぐため土嚢(どのう)を積む住民もいた。予想以上のスピードで道路から水があふれ、土嚢も間に合わず、およそ15分で敷地が浸水してしまった。

 雨が強すぎてホテルの駐車場では、排水が追い付かず、すっかり水浸しになっている。

 福知山市でも激しい雨が降り続き、川が氾濫、道路が冠水する被害が出た。

 今後、台風の接近に伴い、さらなる警戒が必要だ。

■三重でも激しい雨風 停電被害も

 台風7号の影響は三重でも…。14日の午前中、伊勢神宮周辺では、店の前に土嚢が積まれるなど台風への備えが進むなか、まだ多くの観光客の姿があった。

 午後になると、海岸沿いでは強風が吹き荒れ、景色が一変。海も大荒れになった。

 電柱の倒壊やトラックが横転するなど、前例のない大雨や暴風の恐れもあり、早めの避難を決断した人もいた。

 避難した女性:「今回の台風は大きいというから。避難したほうがいいかなと」

 避難した男性:「前にも色々あって被害を受けたので、念のために早めに避難してきました」

 一夜明けた尾鷲市では、横殴りの激しい雨風となった。市内の一部では停電が起きているという。

■「阿波おどり」ゲリラ雷雨が直撃

 台風7号の湿った空気は、関東地方にも激しい雨風をもたらした。

 埼玉県では、目の前が白くかすむほど横殴りの雨が降っている。

 群馬県では突然、雨が激しく降り続き、道路が冠水。車が水しぶきをあげて、走行している。

 さらに徳島県では、夏の風物詩「阿波おどり」の最中にゲリラ雷雨が襲った。

 撮影者:「途中で(雨が)強くなったり収まったりの繰り返し。激しく降ったのは10~15分ぐらい。ズボンはずぶ濡れでした」

 土砂降りの中、踊り子はずぶ濡れになりながら懸命に踊りを披露。観客も慌てて傘を取り出す。

 撮影者:「すごい雨で、びしょびしょに。傘を差しても、びしょびしょになるぐらい、すごい雨が降ってました」

 撮影した男性によると、この日は台風の影響で、阿波おどりの参加者や観客は例年の半分ほどだったという。

■5年前の台風でも…廃旅館 強風で倒壊懸念

 激しく吹き付ける強い風と横殴りの雨。5年前、近畿地方に甚大な被害をもたらした台風21号が和歌山に接近した時の映像。崖の上にある廃旅館は強風により、木造の屋根の部分が吹き飛び、周りの住宅に被害が及んだ。あれから5年…。

 15日午前6時に撮影された「廃旅館」。今にも雨を降らせそうな灰色の雲が空をおおい、木が風にあおられ揺れている。

 和歌山市の港町・雑賀崎。海沿いの斜面に、家々が密集した独特の町並みから、イタリアの世界遺産・アマルフィになぞらえ、「日本のアマルフィ」と呼ばれている。

 この美しい町並みに問題の「廃旅館」がある。今年5月の時点では、屋根は崩れ落ち、外壁は剥がれ、荒れ果てた状態になっている。

 原因となったのが5年前の台風21号。この台風によって、老朽化していた廃旅館の一部が崩壊した。

 今年6月、和歌山市は解体・撤去を代行する「略式代執行」を開始。しかし、来年3月まで解体作業はかかるため、建物はまだ崖の上に残されたままとなっている。

 地元住民:「台風が過ぎ去った後の吹き返しの南風、それがすごく当たる。ここの風は、ものすごいんですよ。特に廃旅館は海からの風が、もろにあたる所なので。(2018年の台風で)上の崩れた部分も一番海側の壁はまだ残っているんですよ。木造の壁とか窓枠とか、まだ残っているので、それが吹き飛んでしまわないかという心配はありますね」

■5年前被害の関西空港 対策は?

 15日午前5時前、和歌山県に上陸した台風7号。

 直撃が予想される大阪では、2018年にも台風21号の強風により、橋を渡るトラックや自動車が横転した。

 関西の玄関口も被害に遭った。高さ5メートルの高潮により、関西空港の滑走路が浸水。電源設備も水につかったため、一部のターミナルが停電した。

 さらに、最大瞬間風速58.1メートルの暴風が追い打ちをかけ、近くに停泊していたタンカーが流され、空港と対岸の陸地を結ぶ連絡橋に衝突。通行不能となり、利用客などおよそ8000人が孤立する事態となった。

 利用者(2018年9月):「暑いです。しんどいです。きのうの8時からずっとここにいます。お水と乾パンの支援物資いただきながら」

 関空は、浸水対策として護岸をかさ上げ。さらに、電源設備を地下から地上に移すことや災害用備蓄品の追加などを行ってきた。

 15日午前0時から連絡橋は通行止めとなっていて、空港で過ごす利用者には寝袋と水が配布された。

 関西空港へ向かうJR西日本と南海電鉄は15日の始発から終日運休を発表。午前5時からは、空港へのすべての旅客便の着陸を制限している。

■東海道・山陽新幹線 一部区間で終日運転取りやめ

 和歌山県のリゾート地・那智勝浦町では夏のにぎわいは見られず。飲食店では雨戸やシャッターをすべて閉め、台風への対応に追われていた。

 まぐろ三昧那智 店長:「(Q.営業中ですけれども雨戸を閉めて)風がきつくて物が飛んで来たら危ないですから」「8月、一番の頑張り時なんで、すごい痛手ですね」

 ホテルでは…。

 海のホテル一の滝 中村紘一郎代表取締役:「きょうは皆さん早めにお帰りになって。きょう、あすは全部キャンセルですね。お断りしてるんです。もう来たらだめですよって」「(Q.つらいですよね)仕方ないですね。自然と勝負したら負けますから」

 一方、新大阪駅は人でごった返していた。

 福島からの観光客(14日):「USJ行こうと思っていたけど中止にしました。今朝まで悩んでいたけど、家族の意見が一致して。すごいもめてたんですけど、きょう決めました」

 名古屋からの帰省客:「台風来る前に、ちょっと前入りした形ですね。明日のホテルとかも取れるかどうか」

 15日、東海道・山陽新幹線は名古屋駅と岡山駅の間で終日運転を取りやめる。

■過去に渡月橋周辺が浸水 対策は?

 台風が近づいているが、京都・嵐山には多くの人が訪れている。

 埼玉からの観光客:「(追加で)一泊するか悩んでます」「(Q.どれくらい出費増える?)一人1万円は絶対増えるので、最大で4万円くらい」

 イタリアから新婚旅行で来日:「台風を経験したことはないです。人生で初めて」「新婚旅行の一日を悲しい気持ちで、ホテルで過ごすことになるかもしれません」

 避けられそうにない予定の見直しに…。

 嵐山商店街 石川恵介会長:「ゆったりしに来られているのに、帰ること避難することを考えないといけないのは非常に申し訳ないです」

 実は10年前の2013年、台風18号の大雨で桂川が氾濫。渡月橋の欄干を濁流が打ち付け、激しく波打っていた。

 渡月橋から続く商店街は多くの店が浸水。建物に取り残され、2階からはしごで救助される人の姿もあった。

 さらに、2018年の台風21号では最大瞬間風速39.4メートルで観測史上2位を記録。暴風で渡月橋の欄干がなぎ倒され歩道をふさいだ。

 石川会長:「可動式の止水壁、堤防が2年前にできてまして。京都市が上げる作業してくれてますので、取り越し苦労だったで済んでほしいです」

 長さ260メートル、高さ80センチの止水壁が桂川からの越水を防ぐ。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2023年8月15日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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