【正規兵契約巡り新局面】プリゴジン氏“軍指導部に反発”政権の思惑◆日曜スクープ◆(2023年6月18日)
■ロシア国防省“正規兵契約を要請”プリゴジン氏は反発
ロシアの民間軍事会社「ワグネル」創設者のプリゴジン氏が、ロシア国防省の統制下に入るとされる正規兵契約を拒否し、軍幹部と「ワグネル」の間で対立が起きている。ロシアのショイグ国防相は11日、侵攻後に大量に増加した志願兵部隊に対し、7月1日までにロシア軍と正式契約を締結するよう命じた。プリゴジン氏は同日、契約の締結拒否を明言した。
プーチン大統領は13日、プリゴジン氏が国防省への従属拒否をした問題に言及、「現在は国家との契約も、国防省との契約もない。国防省との契約が、志願兵の社会的保障を確保する唯一の方法だ」とし、「できるだけ早くする必要がある」と述べ、プリゴジン氏に対応を促した。
■政権批判でプリゴジン氏の“人気が急上昇”事故懸念の指摘も
プリゴジン氏とロシア国防省の確執がエスカレートする中、プリゴジン氏の検索回数がプーチン大統領を超えるほどの急上昇を見せた。ロシアの検索エンジンの統計データによれば、ロシア国民が5月に「プリゴジン」を検索した回数は74万4000回、「プーチン」の検索回数は30万5000回で、プリゴジン氏の検索回数が、プーチン氏の2.4倍に達した。
調査結果について、ウクライナ内務省のゲラシチェンコ顧問はSNSで、「ロシア国防省と対立したことでプリゴジンの人気が高まり、今やその人気はプーチンを凌いでいる。これほどの人気が出ると、プリゴジン氏に何か事故が起こるのではないかと思う」と投稿し、警戒感を示した。
■断固拒否も国防省に“独自契約書”プリゴジン氏の思惑
ロシア軍との正規兵契約に対し、締結しない考えを示し、指揮下に入ることを拒否したプリゴジン氏は16日、独自に作成した契約書を持参し、国防省を訪れた。プリゴジン氏は契約書を提出するも、国防省が受け取らなかった。プリゴジン氏は、6月20日を期限とし、国防省に回答を求めた。
米戦争研究所は17日、ロシアの軍事ブロガーの情報として、プリゴジン氏が、独自に作成した契約書には、▽国防省にワグネル職員の派遣、▽ワグネル開催の会議にロシア国防相の出席を要請、▽国防省が管轄する大部分の軍事インフラに対するアクセス権限をワグネルに付与する、などの内容が盛り込まれていると指摘した。同研究所は、「情報が正確であれば、国防省が受け入れるはずのない“馬鹿げた”申し出だ」と評価した。
■プーチン氏に忠誠“正規兵契約を締結”カディロフ首長
プリゴジン氏がロシア軍上層部との対立を深める中、ショイグ国防相から契約締結の命令を受け、非正規軍トップは対照的な対応を見せた。ロシア南部に位置するチェチェン共和国のカディロフ首長は12日、ロシア軍との正規兵契約を締結した。カディロフ氏は、契約について、「正規軍人と同様の恩典や社会保障を受けられる権利が与えられる」と、歓迎の意向をSNSに投稿した。
★ゲスト:渡部悦和(元陸上自衛隊東部方面総監)、廣瀬陽子(慶應義塾大学教授)
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/東海大学教授)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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