「嘘だろ」目撃者語る一部始終　銀座“仮面強盗”全員19歳以下(2023年5月9日)

「嘘だろ」目撃者語る一部始終　銀座“仮面強盗”全員19歳以下(2023年5月9日)

　東京・銀座で起きた強盗事件で、邸宅侵入の疑いなどで逮捕された容疑者4人は全員が19歳以下だったことが分かりました。この集団が特徴的な仮面をかぶっていた事について専門家は「手慣れていない犯行」と分析しています。

■「嘘だろ」目撃者語る一部始終

　警察から逃げる容疑者の姿をカメラが捉えていました。上下黒っぽい服装の人物が地上から少なくとも10メートル以上あるとみられるマンションのバルコニーの壁の上を移動。慌てて窓を閉める住民を気にする様子も見せず、逃げていました。その人物が関与したとみられる強盗事件が起きたのは、8日の午後6時15分ごろでした。

　撮影者：「マジ？」

　東京・銀座のメーンストリートにある高級腕時計ロレックスの専門店に白い仮面を着けた3人の男が押し入り、店員らを刃物で脅したうえで、バールのようなものなどでショーケースをたたき割り、100本以上の腕時計を奪って車で逃走しました。この動画を撮影した人は…。

　動画を撮影した人：「同僚が『強盗だ』といきなり叫んだので、『え～』と思って『うそだろう』と思ったら本当で、そこからもうすぐ15秒くらいで撮影を始めた。中で3人が暴れていたので3人だなと思ったんですけど、壊しているのが2人。バールと小さいハンマーみたいなものを振り回していて、ショーケースを割って金品をとっていく。とったものを1人がかばんを広げて入り口側で受け取るという結構、段取りよくやっていたかなと思う。ショーケースを割るなんてアクション（映画など）でしか見たことがないので『撮影かな？』というぐらいみんな周りも落ち着いていて、にわかに現実とは受け止められなかったのは確かですね。仮面というんですかねまさに仮面をかぶって、真っ黒の統一していましたね。靴だけはみんなバラバラでしたけど」

　実行犯の1人がかぶっていたその特徴的なマスクは、ガイ・フォークス・マスクと呼ばれています。最近では、国際ハッカー集団「アノニマス」のトレードマークとしても知られ、抗議活動などでも使われています。

　そんな仮面を着け銀座のメーンストリートで起きた強盗事件。人目をはばからない大胆な犯行について、埼玉県警捜査一課の元刑事・佐々木成三さんは。

　元埼玉県警刑事・佐々木成三氏：「あの時間帯にあのマスクをかぶって強盗していること自体がかなり目立つ犯行であった。日中にああいった仮面を着けてやること自体かなり危険だというか、視野が狭くなったりとか逆に目立ってしまうということ。なんか手慣れていない犯行の形態ですよね」

　当時、店には5人の店員がいましたが、けがはありませんでした。

　店の関係者：「突然、こう突っ込んでこられたのでこちらとしては、なすすべはなかったというのが本音なんですけど」「（Q.（被害）総額は？）これから確認します」

■銀座“仮面強盗”全員19歳以下

　事件発生からほどなく現場からおよそ3キロ離れた住宅街で見つかった車です。この道の先は行き止まりで道路を塞ぐようなかたちで乗り捨てられていました。慌てていたのか車のライトは点けっ放し。車体の前後には逃げる途中でぶつけたのか損傷した個所も。そばには仮面も落ちていました。

　車が発見された直後、近くマンションに無断で侵入した疑いで4人の男が現行犯逮捕されました。警視庁はこの男たちが強盗に関与した疑いがあるとみています。4人はいずれも横浜市に住む16歳から19歳で、うち1人は高校3年生。また職業不詳の19歳の男だけ運転免許を取得していたということです。

■時計“30本入り”　黒い袋見つかる

　捜査関係者によりますと、少年たちが確保されましたこちらのマンションの周辺で時計が30本ほど入った黒い袋が見つかったということです。中に入っていた時計が奪われたものかどうかは現在、捜査中だといいます。これが奪われたものだとしても、残り70本を超えるとみられる高級腕時計はまだ見つかっていません。

　また、犯行に使われた車がレンタカーだったことが判明。ナンバーが付け替えられた可能性があるということです。

　元埼玉県警刑事・佐々木成三さん：「今回は服装からしても仮面からしてもテンプラ（偽装）の車を用意している計画的な犯行ではあったにもかかわらず、かなり稚拙な犯行形態でもあるので、計画した者と実行犯とは別という感じは受けますよね」

　犯行当時、待機していた車の中には2人がいたという目撃情報があることなどから、警視庁では4人とは別に指示役がいた可能性もあるとみて捜査しています。
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