「除名」翌日に“容疑者”に ガーシー前議員に逮捕状 国際手配の方針…今後どうなる?【解説】|TBS NEWS DIG
国会議員から一転して、容疑者に…。警視庁は16日、ガーシー前参議院議員の逮捕状を取りました。海外の滞在先で警察への不信感を語っていたガーシー容疑者。今後、自ら帰国することはあるのでしょうか。
■ガーシー前議員 3月15日 除名・議員資格失う なぜ国会を欠席し続けた?
熊崎風斗キャスター:
容疑者となったガーシー前議員のこれまでの経緯について見ていきます。3月16日ガーシー容疑者はUAEアラブ首長国連邦・ドバイに滞在しています。
3月15日 参院本会議で、ガーシー容疑者は、▼国会をすべて欠席 ▼議場での陳謝を拒否したことにより、除名され、議員資格を失いました。
ガーシー容疑者は、なぜ欠席し続けたのか?参院議長に提出した本会議の欠席理由について、ガーシー容疑者は「腐った権力者がいる日本に帰ってくると、不当な罪を着せられる恐れがある」と文書に書いています。(2月8日付で参院議長に提出した文書より)
■ 「除名」翌日に容疑者に…「常習的脅迫」「威力業務妨害」などの疑い
熊崎キャスター:
3月16日、警視庁はガーシー容疑者に逮捕状を出しました。著名人ら3人に対し脅迫や中傷をしたなどとして、「常習的脅迫」「威力業務妨害」などの疑いで逮捕状を出したということです。
警視庁はこれまでにも
▼2023年1月 ガーシー容疑者の関係先に家宅捜索
▼ガーシー容疑者に事情聴取を6回要請
ガーシー容疑者は、3月7日の時点で帰国に関して、「3月いっぱい、それには絶対戻りたいと思っている」と話しています。一方で「警察当局がこちらの疑問に対して、きちっと答えてもらえるんであれば、多分帰国も早くなるだろう」とも話していたということです。
■ガーシー容疑者の「人物像」とは?
熊崎キャスター:
ガーシー容疑者とは、そもそもどういう人物なのでしょうか?「ガーシー」こと東谷義和(ひがしたによしかず)容疑者は、飲食店の経営者などを経て、“暴露系YouTuber”に転身します。芸能界などの「裏話」を動画サイトに投稿して話題になりました。
ガーシー容疑者は、2022年7月に参院選で初当選。公約は、「当選しても日本へ帰らず、海外で政治活動をしていく」などでした。
2022年12月、SNSで公開した文書には、「海外でSNSを利用して政界・経済・芸能の不正を暴露し、この国の不満を一つ一つ解消していきたい」と書いています。
■ガーシー容疑者の今後はどうなる?
熊崎キャスター:
ドバイ滞在のガーシー容疑者の今後について、警視庁は、警察庁を通じて外務省に、旅券返納命令をガーシー容疑者に出すように要請しました。ガーシー容疑者が応じない場合、不法滞在になります。さらに、ICPO(国際刑事警察機構)を通じて、国際手配する方針です。
国際刑事司法に詳しい一橋大学 国際・公共政策大学院の竹村仁美教授によりますと、旅券返納命令に関して「仮にガーシー容疑者がパスポートが使えるうちにドバイから他の国に逃げた場合、捜査や逮捕にもっと時間がかかるのではないか」と指摘しています。
ホラン千秋キャスター:
ガーシー容疑者の以前の動画では、荒々しい口調で、特定の人物などを攻撃的な言葉で晒すということをしていたわけなのですが、こういったことは、一般的にどのような罪に当たるのでしょうか?
萩谷麻衣子弁護士:
ガーシー容疑者について、容疑としては、常習的脅迫ということで、私は、家宅捜索という強制捜査が入った時から、捜査機関は本気だなと思いました。警視庁は、この時から、恐らくガーシー容疑者の逮捕を狙っていて、議員除名の可能性が高くなったときから、もう除名されたら逮捕に踏み切ろうとタイミングを見計らっていたのだと思います。
また、国際手配について、国際手配状として一番重いのは、赤手配書と言って身柄拘束を求めるものなのですが、ガーシー容疑者のこの罪状で、確かにひどいことをやっていて、もしかしたら可能性はあるかもしれないけれど、殺人罪とかではないので、身柄拘束を求める赤手配書を取れるかというと、どうかなと思います。
あと、青手配書という容疑者がどこにいるかを当局で確認する、その手配をするようになるのかなと思います。ただ、それも意味がないことではなくて、旅券返納命令というのは、いついつまでに返納しなさいということを書面で通知しないといけません。通知するには、相手の場所を確認しなければいけないので、その手続きが必要で、もしどうしてもその場所がわからない場合は20日間、その通知書の内容を官報に掲載して、それで通知をしたことにすると、その後、一定期間を経て、旅券返納命令の効力が生じて、旅券が失効するということになるので、まだ時間がかかりそうだなと思います。
今後の一番のハードルというのは、やはりドバイ当局がどれだけ協力してくれるか、そこにかかっているだろうと思います。
ホランキャスター:
常習的脅迫と、脅迫はどれくらい罪の重さに違いがあるのでしょうか?
萩谷麻衣子弁護士:
脅迫罪というのは2年以下の懲役で、常習的脅迫というのは5年以下の懲役です。ガーシー容疑者は、これに旅券返納命令違反をすると、5年以下の懲役が重なるので、より罪が重くなります。
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