【物価高】“春の新生活”の重荷に…引っ越し代“20万超え” キッチン用品や文房具も…
新年度を前に、新生活の準備をしている人を、“値上げの波”が襲っています。ある引っ越し会社では、燃料代や人件費の高騰を受け、今月末のピーク時には、引っ越し代が20万円を超えるというのです。さらに、新生活に欠かせないキッチン用品や文房具も、値上げが続いているといいます。
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桜の季節は“はじまり”の季節。“新生活の季節”です。
金沢から転勤
「(人事)異動があって、やってきました。東京は初めてなので、いろいろ楽しみたいと思います」
新型コロナウイルスが落ち着きを見せ始め、“春の大移動”が復活する兆しがみえています。しかし――
就活中の大学生
「引っ越しの予約とかも月末は埋まってきていて、料金が高かったりするので苦労していますね」
実際、関東を拠点とする、神奈川・横浜市にある引っ越し会社「スター引越センター」では既に――
スター引越センター 仁賀諭取締役
「(PC画面に表示された)この枠がトラック1台で、1日ずつ3月1日、3月4日、3月8日と並んでいまして、予約に関してはいっぱい。普段より2~3割増しで埋まっている感じがする」
企業の転勤などが復活したため、(引っ越しのトラックの稼働を示す表は)今月中旬ごろまで、予約済みを表す“赤い表示”でいっぱいになっていました。出遅れると、“引っ越し難民”になる可能性があるというのです。
また、引っ越しにかかる費用も、今年の春は割高となる傾向にあるといいます。
スター引越センター 仁賀諭取締役
「(トラックの半分の荷物で)3月の頭の方だと10万円くらい。これがあと2週間くらいすると2倍~2.5倍くらい。去年と比べると、1割くらい上がっている」
燃料代や段ボール代のほかに、人手を確保するための時給アップで、人件費も高騰しているといいます。距離や荷物の量にもよりますが、標準的な1人暮らしの引っ越し代金は、今月末のピーク時には20万円を超えるというのです。
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値上げの波は“新生活の必需品”にも押し寄せています。東京・台東区にある都内有数の道具街・かっぱ橋にあるキッチン用品の専門店「キッチンワールドTDI」では、やかんの値段が上がったことに驚くお客さんがいました。
お客さん
「(以前は)3000円とか4000円くらいだったけど、6500円、高いな」
「包丁とか、大きいものが値上がりしているなと」
売り場の裏では、店長が紙を見ながら電話をしていました。その内容は――
キッチンワールドTDI 藤崎義人店長
「(メーカーからの)値上げの交渉です。『ホーロー食器が上がります』と」
メーカーからほぼ毎日のように、値上げの通知が届くというのです。金属や木材など、原材料の高騰や輸送費の高騰など理由はさまざまですが――
キッチンワールドTDI 藤崎義人店長
「コロナで上がっていなかった分を、ここにきて(人が)動いてきたから上げさせてくださいと。すべての値段が上がっています」
新生活シーズンの需要を見込んで、値上げをするメーカーも少なくないということです。
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値上げの波は、“新学期”の必需品にも押し寄せました。東京・板橋区の竹屋文房具店を取材すると――
竹屋文房具店 岡田利子さん
「ノートも、ほとんどのメーカーさんが上がっています」
見せてもらったノートは、去年の夏に242円に値上げされ、生き物のイラストでおなじみの学習帳も、去年の夏の値上げで220円になりました。今や、ノート1冊200円の時代になっているのです。とはいえ、それをそのまま値段に反映することは難しいといいます。
竹屋文房具店 岡田利子さん
「学習帳なんかは、お子さんに気兼ねなく買ってもらえるように安くしています」
値上げ前のお金しかなく、ノートを買えずに帰って行く子どもがいたことから、学習帳は165円に値下げしています。一方で、あるメーカーの鉛筆は、去年の夏に66円から77円に値上げしました。消しゴムの「モノ PE-01」も6月以降、60円から70円になるなど、おなじみの文房具も続々と値上げしています。
何かと出費が増える春の新生活。広がる値上げの波がますます家計を圧迫しそうです。
(2023年3月6日放送「news every.」より)
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