【話題】お台場「観覧車」がスキー場に 解体された“街のシンボル”を再生
再開発や老朽化で解体された“街のシンボル”が、場所をかえ生まれ変わる動きが進んでいます。話題となり、それを目当てに訪れる人もいるといいます。
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長野・大町市にある鹿島槍スキー場。ゲレンデのすぐそばには、水色やピンクなど、白い雪に映える6つのゴンドラがありました。
利用客
「東京から持ってきたなんて」
「すごいね、お台場だって、お台場」
実は、東京・お台場のパレットタウンにあった大観覧車のゴンドラが、休憩所として12月に設置されたのです。
1999年にパレットタウンが開業すると、当時、“世界一の高さ”として注目された観覧車。お台場のシンボルとして愛され、23年間で2100万人を乗せました。しかし、去年8月末、再開発に伴いその歴史に幕を下ろしたのです。
解体とともにゴンドラも廃棄される予定でしたが、鹿島槍スキー場が無償で譲り受けました。
鹿島槍スキー場 広報・相河友二さん
「(利用者の)思い入れの深いこちらのゴンドラを、より多くの皆様に楽しんでいただけないかと考えて」
当時を思い出してもらうため、ゴンドラは塗装やシートも当時のままです。
鹿島槍スキー場 広報・相河友二さん
「『ゴンドラの中でプロポーズをした』という意見もたくさんきているので、そういった方々がお子さまを連れて次はぜひ、鹿島槍スキー場に来ていただければなと思っております」
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廃棄されるはずだった“街の名物”が再利用される動きは、東京都心でも起きていました。
銀座の繁華街からほど近い位置にそびえていた中銀カプセルタワービルは、1972年に建築家・黒川紀章さんの手によって誕生しました。当時のキャッチフレーズは「21世紀の未来住宅」。カプセル式の住居が幾重にも折り重っているのが特徴で、日本の現代建築の傑作の一つとして知られました。
しかし去年、老朽化などを理由に解体され、ビルは跡形もなくなりました。そんな中で進んでいたのが、カプセルを修復し、美術館などに展示するというプロジェクトです。
中銀カプセルタワービル 保存・再生プロジェクト 前田達之代表
「カプセルを再生して、それを国内外の美術館などに展示する活動を今、行っています」
中銀カプセルタワービルは元々、古くなったカプセルを交換することで、半永久的に使えることを目指していました。解体の際、そのまま取り外された住居部分のカプセル23個を千葉県の工場へと運搬。一部が、50年前の姿へと修復されました。
修復にかける期間は1個あたり約2か月で、新規でカプセルを作るよりもお金がかかっているといいますが…
中銀カプセルタワービル 保存・再生プロジェクト 前田達之代表
「50年前に今でいう“SDGs”的な考え方をもって造られた建物だと思う。解体してゼロにしてしまうのではなく、歴史とともに見ていただいて、新たな発想を思い描いて、次につなげていただければと思う」
工事はすでに完成しているため、早ければ来月以降に関東近郊で見られる予定だということです。
(2023年1月13日放送「news every.」より)
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