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【関東最後の秘湯】人気の理由とは…人里離れた“秘境”の魅力と苦悩(2022年12月14日)
“最強寒気”の影響で14日は関東の山沿いでも積雪が急増しています。「関東最後の秘湯」と呼ばれます、栃木の温泉を取材しますと、人里離れた“秘境”ならではの苦労と厳しい冬を乗り切るための「生活の知恵」がありました。
銀世界が一面に広がる、栃木県北部の山間部。東京から車で4時間。しんしんと雪が降りしきるなか、10センチの積雪がある山道を進み、たどり着いたのは…。「関東最後の秘湯」。そう呼ばれる「奥鬼怒温泉郷」です。
神秘的な純白の森に囲まれた「雪見露天風呂」。大自然から湧き出る掛け流し温泉は、知る人ぞ知る、まさに秘湯。30年前の冬に取材した時から、変わらぬ景色が残っています。
茨城からの宿泊客:「ちょうど雪見風呂になってすごく良かった。来るのに7時間もかかった。でも来る価値はある」
「奥鬼怒温泉郷」の宿は、人里離れた山奥にもかかわらず、年末年始は満室。外国人客の予約も入っています。ところが、雪深い秘境だからこその苦悩も。
奥鬼怒温泉郷加仁湯・小松輝久社長:「水が止まると寒いので配管が凍ってしまう。お湯、水がないと冬は生きられないので大変」
厳しい冬を乗り越えるため、温泉郷ならではの秘策がありました。
栃木県日光市の「奥鬼怒温泉郷」。
「関東最後の秘湯」と呼ばれる宿は、福島県と群馬県の県境に近く、鬼怒川の上流沿いに、ぽつんとたたずんでいます。
人気の秘密は、冬限定、この「雪見露天風呂」にあります。
奥鬼怒温泉郷加仁湯・小松輝久社長:「きょうは熱いですね。多分冷えた体でいきなり入るとキツイと思います」
宿の主人・小松さん。温泉稼業40年の腕利きです。14日は、最低気温マイナス4℃と氷点下の冷え込み。
奥鬼怒温泉郷加仁湯・小松輝久社長:「大雪や風の強い日は冷めるので、そういう時は(温度を)上げるように。40℃ちょっとが理想だけど、なかなかそうならない」
「天然の温泉」と「厳しい冬の気候」。思い通りにはいきません。それでも、宿泊客は極上の雪見温泉に感動。
東京からの夫婦:「湯加減は最高ですよ。一番長く入っていられる。雪見ながら良いお風呂に入れるのが最高」
宇都宮からの宿泊客:「このにごり湯です。硫黄泉のにおいと景色。家に帰っても温泉のにおいがするっていうのが一番幸せ」
すると取材中、温泉のすぐ近くで野生動物を発見。美しい黄色の毛並みに、白い顔。イタチ科のテンです。季節によって、体の保護色が変化します。雪景色になる冬は、顔が雪のように白くなり、毛は、より淡い色に。こうした野生動物に出会えるのも、秘境ならではの魅力です。
さらに宿自慢の料理は、サンショウウオの天ぷらに、鹿肉のタタキなど、人里離れた山奥ならではの品々でおもてなし。一方で、雪深い秘境だからこその苦労も多くあります。
鬼怒温泉郷加仁湯・小松輝久社長:「落差で落としているので高い所に水がないとダメ」
宿の主人が、雪道を登り向かったのは…。
鬼怒温泉郷加仁湯・小松輝久社長:「あれですね。あれが源泉」
地下水をためるタンクです。
奥鬼怒温泉郷には、水道が通っていないため、地下水を井戸で吸い上げて使っています。ところが、冬場はこの配管が凍ってしまうことも。
鬼怒温泉郷加仁湯・小松輝久社長:「凍った配管をどうにかするのが大変。マイナスの世界で延々と作業する。12時間とか」
氷点下での危機を乗り越える方法とは。
関東最後の秘湯、鬼怒温泉郷。1933年からこの山奥に、ぽつんとたたずむ温泉宿では、氷点下の厳しい冬に直面する問題が。地下水の配管が凍ってしまうことがあるのです。
鬼怒温泉郷加仁湯・小松輝久社長:「(水が)止まったら大変。トイレも流れない」
宿で使う水は、すべて地下水。
鬼怒温泉郷加仁湯・小松輝久社長:「温泉に使っているお湯で溶かす。完全にカチカチに凍ったらゆっくり溶かしていくしかないので、準備から片付けまで半日以上かかる」
さらに、真冬は豪雪となり、1メートル以上積もるといいます。そのため、宿につながる林道は、日光市の委託を受け、自分たちで除雪しています。
鬼怒温泉郷加仁湯・小松輝久社長:「まずこれが生活の基本。お客さんの送迎さえできない。(積雪で)救急車も警察も来られないので」
奥鬼怒温泉郷までの道のりでは雪化粧の絶景が楽しめます。
鬼怒川を渡るつり橋に、真冬には氷瀑する滝など、雄大な自然を間近に感じることができます。
鬼怒温泉郷加仁湯・小松輝久社長:「山が見えないほど降ってますから、この後、雪かきが心配ですけど、他にない雰囲気があるので奥鬼怒に雪を楽しみに来て頂きたい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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