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電力不足を救う?「地熱発電」 日本の地下に眠る世界第3位のクリーンエネルギー|TBS NEWS DIG
今週はSDGs「地球を笑顔にするウィーク」です。政府が冬場としては7年ぶりとなる節電要請に踏み切るなど、電力やエネルギー不足が問題になっています。そうした中、日本各地の温泉などを活用した「地熱発電」がクリーンエネルギーとして注目されています。
熊本県の最北端に位置する小国町。温泉の蒸気を利用した「蒸し場」や“地熱の里”と呼ばれる「温泉郷」などが有名です。
その町の一角で行われているのが、地熱発電所の建設です。
沼田昭二さん
「今やっているのは、噴気テスト」
地熱発電では地下深くから高温の熱水と蒸気を取り出して分離し、その蒸気でタービンを回して発電します。太陽光や風力発電と違い、天候に左右されないクリーンエネルギーとして注目されているのです。
さらに、有数の火山国である日本には、世界で第3位という豊富な地熱資源が眠っています。そこに目をつけたのが、全国チェーン「業務スーパー」の創業者・沼田昭二さんです。
町おこしエネルギー 沼田昭二会長兼社長
「地熱という1番難しい再生可能エネルギーに特化したいと思って、6年前から(会社を)始めました」
地熱発電は失敗のリスクも高いとされますが、こちらは再来年の春に運転を始める予定で、およそ8000世帯の電気を賄う計画です。
町おこしエネルギー 沼田昭二会長兼社長
「今年は電気料金もマックスに上がってます。そういう中で、次の再生可能エネルギーを安定的に開発しないと、次世代の子どもには大きなリスクを残すことになると」
この挑戦に、町長は…
熊本・小国町 渡邉誠次町長
「1番最初に聞いた話は、本当にできるのだろうかっていうのが率直な気持ちで、ただ、色々なお話を聞く中で、本気なんだなと。小国町の持つ世界と戦える材料が、僕は地熱だというふうに思っています」
さらに、沼田さんはこの熱水を活用し、エビや南国の果物などを育てる研究も進めていて、これを「地域活性化に繋げたい」といいます。実際、地熱発電が地域の活性化に繋がっているところもあります。
岩手県の中西部に位置する雫石町。秘湯中の秘湯と呼ばれる「滝ノ上温泉」では、今年3月から地熱発電の稼働が始まりました。今ではおよそ1100世帯分の電力を発電できます。
さらに…
記者
「発電した後の熱水は、温泉として有効活用されているといいます」
熱水を利用した温泉には全国から観光客が集まり、町は賑わいを取り戻しました。さらに、地熱発電の電力を利用するため、暖房などの光熱費は一切かかりません。
滝ノ上温泉 温泉組合 岩岡重樹代表
「こういう小規模な地熱発電所が、各地の温泉街に1つずつ生まれていくようであれば、再生可能エネルギーの電力供給量っていうのが増えていくのではないか」
盛岡からの客
「やっぱり自然のものを活用することはいいこと」
長野からの客
「日本中に温泉があるので、地熱発電ができるなら普及できるんじゃないかな」
エネルギー不足が課題になる中、日本ならではのクリーンエネルギーとして「地熱」に熱い視線が注がれています。
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