【惜別】東京駅“最後の立ち食いそば” 新幹線を気にしながら…サラリーマン思い出の味
巨大ターミナル、東京駅の東海道新幹線ホームにある立ち食いそば店、「東京グル麺」。34年以上前に開店してい以来、“安くて・早くて・うまい”そばで、旅人の胃袋を満たしてきましたが、30日を最後に、閉店することとなりました。
来店客
「(時間が)ぎりぎりなことが多いので、よく使っていました。なくなると困りますね」
すぐ目の前にとまる新幹線の出発時間を気にしながら、熱々のそばをかきこんだ……そんな記憶も、いつか懐かしく思い出すのでしょうか。
30代の来店客
「最後に食べに来ました。本当はカツ煮そばを食べたかったんですけど」
ここ数日、一部のメニューが品切れになっていたのが、多くの人に愛されてきた何よりの証拠です。
お客さんのほとんどが、出張で新幹線を利用する“サラリーマン”だったという立ち食いそば店。名物は、ほどよい厚みのトンカツを卵でとじて、カツオだしが聞いたそばの上にのせた「かつ煮そば」(620円)です。
出張に出かける前に、このそばを食べて自分に“喝”を入れ、仕事に“勝つ”……とゲンをかつぐサラリーマンもいたそうです。一時は、お客さんの数が1日600人を超える日もあったといいますが、いつしか東京駅に唯一残る立ち食いそば店となっていました。
JR東海パッセンジャーズ店舗事業部 久保田雄さん
「コロナ当初は休業せざるをえない状況に追い込まれましたし…」
新幹線の利用者が激減、売り上げはコロナ禍前の8割減になり、閉店を余儀なくされたのです。
最終日のこの日。息子のために、新幹線の入場券だけを購入し、“最初で最後のそば”を味わう子どもの姿もありました。
最終日に訪れた母親
「(息子の)身長がたりず伺うことができていなかったので、きょうは最後だって聞いて来ました。思い出を買いに」
最終日に訪れた小学3年生
「(背伸びは)きつかったけど、おいしかったから我慢できた。最後だから来られて、うれしかった」
いつもと同じ閉店時間の午後2時。長年守り続けたのれんを静かにおろしました。
(2022年9月30日放送「news every.」より)
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