異例 韓国大統領選“見た目”が命の選挙戦 眉や髪型でも勝負
３月に迫る韓国の大統領選挙はスキャンダルを抱え好感度低迷に悩む候補者たちがそれぞれの見た目などイメージ戦略を競い合う異例の展開となっています。
美容大国として知られる韓国。“見た目重視”の社会ともされ、今、新たな広がりを見せています。大統領選まで２か月を切るなか、与党候補で“韓国のトランプ”とも呼ばれる李在明（イ・ジェミョン）氏の提案が物議をかもしています。それは・・・
韓国 与党候補 李在明氏
「これからは必ず植えるのだ、私の髪のために」
髪を撫でながら訴えたのは、“薄毛治療に公的医療保険を適用する”という検討中の公約。１０００万人いるという薄毛に悩む人の支持を取り付けたい考えです。さらに、妻と一緒に踊り、歌を歌う李候補。これは有権者にアピールするためＳＮＳ上にあげた動画で、満面の笑みを見せています。
一方、最大野党の尹錫悦（ユン・ソギョル）候補も料理をする様子などをＳＮＳ上に公開。なんとも異例の展開となっている今回の大統領選挙ですが、こうした状況になっているのも、与野党の有力候補がともにスキャンダルを抱え、伸び悩む支持率をなんとかしようと“イメージ作り”に必死だからです。
スンシル大学経営大学院 ソン・ウニョン教授
「支持率が拮抗するときほど、イメージの差が決定的に作用します」
解説するのは、元大統領や企業トップなどのイメージ戦略を手掛けるソン教授です。まずは、最近も息子の違法賭博問題で謝罪に追い込まれた李候補。見た目には冷たいイメージもあったのですが・・・
スンシル大学経営大学院 ソン・ウニョン教授
「以前は髪を黒く染め、眉毛も薄かったです。今は髪の色を落としてアッシュグレーに。メガネフレームは細くなって、どうですか？目と目の距離がそれほど狭く見えないで、とてもすがすがしく、はるかに柔らかい印象に」
最近は再び髪を黒くし、若さをアピールしています。
一方で、妻の経歴詐称や党内の内紛がメディアを賑わす尹候補。政治経験の不足から、不安定な印象がありました。以前と比べると・・・
スンシル大学経営大学院 ソン・ウニョン教授
「ヘアスタイルがとても良くなりました。額を隠したままではオープンマインドに見られない。メイクアップで、赤みがかった肌の色を抑えることで安定感を感じることができます」
親近感アップに努める両候補が、しっかり仕上げてきたのが眉毛。
スンシル大学経営大学院 ソン・ウニョン教授
「眉毛が弱ければ、リーダーシップや推進力が弱く見えます」
そんな中、注目されるのが・・・
記者
「こちらでは、眉に色素を入れるアートメイクが行われています」
「アートメイク」とは眉に墨を入れるものですが、ある異変も。
客
「麻酔をするので痛くない」
なんと、施術を受けていたのはおじさん。こちらの医院では４０代以上の男性の客が増えているといいます。
『ＬＥＥ＆ＣＨＡＥＵＭ』 チェ・サンミ室長
「かつては女性９・男性１だったのが、今は６対４で男性比率が４０％以上にあがってきた。若い人だけでなく、中年層の方が本当にたくさん行います」
韓国のビルゲイツとも言われ、大統領選挙で支持率を急上昇させている安哲秀（アン・チョルス）候補も、実はアートメイクを行っていると公言。今回施術を受けた男性も・・・
客
「人にたくさん会う仕事をしているので、見た目の第一印象はとても重要だ」
“もてるため”ではない容姿磨き。専門家は・・・
スンシル大学経営大学院 ソン・ウニョン教授
「社会的格差、貧富の格差、格差がとても多くなったが、容貌も格差の要素の１つになってしまった。そのような残念な時代になりました」
容姿磨きに拍車がかかるなか、格差が広がりつづける韓国社会。こうした課題に、次の大統領はどう取り組むのでしょうか。（13日16:12）
#韓国 #大統領選挙 #スキャンダル
#イメージ戦略
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