【核の脅威】シェルター需要が増加 アメリカ“核の町”では核兵器“増産”の動きも…
NPT(核拡散防止条約)再検討会議が開幕しました。核軍縮に向けた取り組みの一方で、ウクライナ侵攻で核の脅威がクローズアップされるなど、「核戦争のリスクが高まっている」との指摘も出ています。
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世界の核弾頭の数は1万2705発で、アメリカとロシアがその9割を占めています。(ストックホルム国際平和研究所 2022年6月13日公表)
日本テレビが訪れたのは、アメリカ・テキサス州にある工場です。黒いコンテナのようなものが並んでいます。
記者
「この工場で急ピッチで作業が進められているこちらの黒い箱なのですが、実は攻撃があった時の備えとしてのシェルターなのです」
このシェルターは、10人ほどが暮らせるということです。ウクライナ侵攻で核の脅威がクローズアップされる中、シェルターが注目されています。
シェルター製造販売会社 ゲイリー・リンチ社長
「いつもは50~100件のところ(侵攻直後)3000件を超える問い合わせがあった」
その後も、問い合わせが絶えず、急ピッチで製造を進めています。
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核攻撃への備えの一方で、核兵器の増産とみられる動きもあります。
テネシー州オークリッジは、核兵器関連施設や原子力関連企業が集まる“核の町”です。広島に投下された原爆もオークリッジで開発されました。
記者
「核兵器の材料を製造・保管している施設がこの奥にあります。車が行き来している様子がこちらから見えます」
この“核の町”から、車で1時間の場所にある原子力発電所を訪ねました。
原発・核兵器に反対する コディ・ディシュナーさん
「原子力発電と核兵器に使用される『トリチウム』を作っています」
この原発では、核兵器の破壊的な爆発力を引き出すトリチウムが生成されています。この原発を運営する会社は、トリチウムの増産を政府に申請しています。
原発・核兵器に反対するコディ・ディシュナーさん
「トリチウムを増産して、より多くの爆弾を作ると考えられます」
“核の町”オークリッジには、ウクライナから避難してきた人もいます。チョルノービリ原発で働いていたテチャーナさんは、原発関連の仕事で知り合った知人を頼って、避難してきました。
テチャーナさん
「父親も、義理の父親も、チョルノービリ原発の事故処理現場で働いていて、その後若くして亡くなりました。核戦争になってしまったら、世界中に安全な場所はありません」
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今年6月、スウェーデンのストックホルム国際平和研究所は「世界の核弾頭数は冷戦後、初めて増加に転じる可能性がある」と指摘しました。
軍事専門家 ダリル・キンボール氏
「核戦争のリスクが高まっていて、無制限の世界的な軍拡競争が高まっていることから、NPT再検討会議は非常に重要なものとなっています」
参加国が核軍縮に向けて合意を実現できるのか。NPT(=核拡散防止条約)再検討会議は26日まで開かれます。
(2022年8月2日放送「news every.」より)
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