10年で4割増の高層マンション 停電で“エレベーター使えず”「陸の孤島」になる課題も…首都直下地震の“被害想定”見直し|TBS NEWS DIG

10年で4割増の高層マンション 停電で“エレベーター使えず”「陸の孤島」になる課題も…首都直下地震の“被害想定”見直し|TBS NEWS DIG

10年で4割増の高層マンション 停電で“エレベーター使えず”「陸の孤島」になる課題も…首都直下地震の“被害想定”見直し|TBS NEWS DIG

首都直下地震が起きた際の被害想定を東京都が10年ぶりに見直しました。推計される死者は最大およそ6200人と10年前から減少しましたが、新たな課題も浮き彫りになっています。

都心南部でマグニチュード7.3の直下地震が起きたらどうなるか。東京都が10年ぶりに見直した被害想定では建物の倒壊や火災などによる死者は推計およそ6200人にのぼります。

耐震化などにより10年前からおよそ3500人減りましたが一方で新たな課題も・・・。

記者
「都内ではおよそ2万台のエレベーターが停止し、閉じ込めの恐れがあるということです」

首都直下地震の被害想定で新たな課題として指摘されたのがこの10年で4割増えた高層マンションです。

東京・港区にある48階建てタワーマンション。およそ2500人が暮らしています。

芝浦アイランドケープタワー 防災チームメンバー
「3.11のときにマンションで仕事をしていたが、あの揺れで立っていられなかった」 

懸念されるのは停電などでエレベーターが使えなくなることです。

記者が実際に階段で上ってみると・・・

記者
「汗がすごすぎる。最上階の48階につきました。かなりきついです」

地上と往復が困難になることから管理組合では在宅で一定期間、避難できるよう対策を進めています。

芝浦アイランドケープタワー 防災チームメンバー
「安否確認、安全もしくは助けてのマグネットを管理組合が作り、各住居に配布しています。助けてほしい場合これを貼っておくと、この階の住人が本部に連絡する」

ケガをした人を階段で運ぶためのストレッチャーも用意しています。

芝浦アイランドケープタワー 防災チームメンバー
「各自宅で備えてもらうのが最も大事。仮に降りたところでどこにもいけないんですよ、避難所も満員だしいけないし」

そして東日本大震災でも問題になった帰宅困難者。首都直下地震ではその数はおよそ453万人にのぼると推計されました。

高層オフィスが建ち並ぶ東京駅周辺では・・・

三菱地所防災担当 三隅寛己さん
「こちらは一時帰宅困難者を受け入れるスペースになっています」

丸ビルなどを持つ三菱地所は、帰宅困難者およそ3500人を受け入れるための備蓄を進めています。地下の倉庫には3日分の水や食料、毛布などを備蓄してるほか、停電に備え、72時間分の電力をまかなえる発電機も。

三菱地所防災担当 三隅寛己さん
「人が過ごす空間なので照明が真っ暗とかにはならない形で、空調や電気の方を設置しています」

一方、首都直下地震で最も被害が出ると想定されたのが木造住宅が密集している地域です。

千住柳町町会 髙林政一会長
「道路が狭いということと、建物がそこそこ経年劣化している。あと、高齢者が比較的多い」

高齢化が進み、消防団のなり手は減少。小型の消火器を増やすなど、高齢者でもできる対策を進めています。

千住柳町町会 髙林政一会長
「大災害に関しては火が出る前に救出する 自助、共助、公助、これが一番大事かな。常日頃から声かけとか大事にしたいな」

今回の被害想定では、インフラやライフラインの被害や復旧の見通しなどを時系列でまとめていて東京都は「自分の状況にあてはめて災害への備えをしてほしい」としています。

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