“反撃のウクライナ軍” 奪還した村に残されたロシア軍の罠「かばんの中に爆弾」(2022年5月15日)
ロシア軍が完全撤退を決めたとも伝えられる北東部ハルキウ。
反撃の最前線で一体、何が起きているのか。現地で戦うウクライナ兵に話を聞くことができました。
▽ウクライナ兵語る“反転攻勢”の最前線
(ウクライナ領土防衛部隊 ロマン・テルノヴスキーさん)
「ハルキウ州でいくつかの村を解放した。ウクライナ軍が“反転攻勢”に出て、村を奪還して、領土を解放している。」
ウクライナの領土防衛部隊に所属する、テルノヴスキーさん。
激戦が続く、北東部・ハルキウ州の最前線で戦いに身を投じています。
「部隊に負傷者や死者が出た。それでも我々の軍は前進している。ロシアとの国境に向かって進み続けている。」
2月24日、ウクライナに侵攻した、ロシア軍。ハルキウ州には、北部から攻め込み、制圧地域を拡大させていきました。しかし、5月に入って、ウクライナ軍が“反転攻勢”、ロシア軍に制圧されていた地域を奪還し、一部では、国境付近まで押し返しています。
ウクライナ第2の都市ハルキウ市から、ロシア軍が完全撤退を決めたとみられる分析もあります。
“守りから攻め”に転じた、ウクライナ軍。
14日、SNSにあげられた榴弾砲の映像には、「アメリカから愛を込めて」という文字が書かれています。
▽「ロ軍は恐れている」ウクライナ兵“反撃”語る
西側から供与された武器や情報が、前線の部隊に渡り、戦況が変わり始めたと言います。
(ロマン・テルノヴスキーさん)「西側からもらった武器で、今は“反転攻勢”を始めている。(西側の)偵察衛星は非常に重要な役割を果たしている。敵が何をしているのか、何人いるか、位置などの情報を活用している。ロシア軍は緊張状態に置かれ直接的な戦闘を恐れているように見える。我々はこの戦争に勝利するに違いない。自分の命を失うか、ウクライナが勝利するまで、最後まで戦い抜く」
▽「かばんの中に爆弾」警戒続く“奪還の村”
ハルキウ州でロシア軍から奪還した村は、どうなっているのか・・・
(地元ジャーナリスト アンドリー・ツァプリエンコさん)「ロシアの車列がハルキウ付近で破壊されました。市から数km離れています。これは軍事車両ではなく、警察車両です。ロシア国家親衛隊です。この車に乗っていた人の目的はハルキウ市民のデモを押さえつけることだったようです。」
これは、ロシアとの国境まであと数百mの地点。“奪還”した村で、ウクライナ人ジャーナリストが見たものは・・・
(アンドリー・ツァプリエンコさん)「ロシアから解放された地域で自宅に戻る人は気を付けて下さい。よく見てください。これはかばんです。普通に見えますが、中には爆弾が仕込まれています。バッテリーにつながっていて、開けると爆発します。みなさん、本当に注意して下さい。」
「ロシア軍は家の中をめちゃくちゃにしました。彼らが居座った後の家の中は、まるで“豚小屋”のようでした。ロシア軍は本当に“略奪者”で完全に“破壊者”です。」
▽反転攻勢の裏で加速する“ロシア化”
一方、南東部マリウポリでは・・・15日、マリウポリ市長顧問は、ロシア軍がアゾフスタリ製鉄所に焼夷弾やリン弾を投下したと発表。焼夷弾の燃焼温度は2000度を超え、消火は極めて困難だといいます。
市内では “ロシア化”の動きも進められています。これは、ロシア側の人道支援の映像。
「食料品を差し上げますね」
住民「ありがとうございます」
今も10万人の市民が残っているマリウポリ。ロシアから支援に入ったマクシムさんに街の様子を聞くと・・・
(ロシアから支援をする マクシムさん)「がれきや燃えた車両も取り除かれ、メインストリートの車道、歩道もきれいになっています。作業は “ドネツク人民共和国”が行っています」
“ドネツク人民共和国”のSNSでは、住民のためにがれきの撤去作業を行っているとアピール。さらに、あす16日からロシア国民はマリウポリへ自由に出入りできるようになるといいます。
(マクシムさん)「5月16日からはロシア国民であれば自由に出入りすることができます。マリウポリはとても美しい都市です。もしリゾート地にすればそれは素晴らしいことです。」
“ドネツク人民共和国”のトップは「マリウポリは自分たちの領土である」と主張した上で、“リゾート地”として再建する計画を明らかにしました 。
ウクライナ人ジャーナリストのザクレツキーさんは・・・
(ウクライナ人ジャーナリスト ザクレツキーさん)「マリウポリの新しい“自称”市長は、5月15日にマリウポリのロシアへの併合に関する住民投票が行われると述べました。ロシア側は学校教育やウクライナ語の禁止で、人々を“ロシア化”しようとしています。」
5月15日『サンデーステーション』より
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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