不合格なら免許更新NGも 高齢ドライバー対象「運転技能検査」始まる 効果は？｜TBS NEWS DIG
高齢ドライバーの交通事故を防ぐため免許更新の際に実際に車を運転する「運転技能検査」が13日から義務化されます。新たな対策を高齢者たちはどう受け止めているのでしょうか?
西川きよしさん（75）
「いい思い出がたくさん詰まっているときに、決断したほうがいいと思って」
タレントの西川きよしさん、75歳。運転免許証を返納し、本人確認の証明書となる「運転経歴証明書」を受け取りました。
去年1年間に75歳以上が起こした死亡事故は346件で、事故を起こす割合は74歳以下と比べて2倍にのぼっています。
高齢者による事故を防ごうと、13日から免許更新の際、実際に車を運転してテストを受ける「運転技能検査」が義務化されました。対象は、過去3年以内に信号無視や速度超過などの違反をした75歳以上のドライバーです。
警視庁運転免許本部 茅根弘幸 運転者教育課長
「こちらの縁石の淵からタイヤの中心が１メートルを超えると減点という形になります」
検査の一つが、段差に乗り上げ、すぐにブレーキを踏めるかをチェックするというもの。相次ぐアクセルとの踏み間違い事故を受け、設定されました。不合格でも再受検可能ですが、一定期間中に合格できないと免許更新ができなくなります。
免許更新に来た77歳
「これがなかったら仕事ができません。（Ｑ．運転技能の低下は感じる）あります。おっかない感じ」
免許更新に来た79歳
「 （Ｑ．不合格になったら困る？） 困るね。うちのまわり坂ばっかり。坂道上らないと買い物に行けない」
高齢者の運転免許のあり方を考える市民団体は、技能検査では実際の運転で必要な“とっさの判断”が求められていないと指摘します。
調布市高齢者免許自主返納推進市民会議 門伝良男さん（76）
「（技能検査の）段差乗り越えね、何か別に意識してやれば、まず誰でも（試験に）通ると思う。とっさの時に、どういう状況になるんだということを自分が客観的にわかるっていう方法が今ない」
専門家は、運転能力の衰えを自覚するためには、技能検査を75歳よりも前から定期的に行うべきだと訴えます。
山梨大学 伊藤安海教授
「自分の能力がどういうふうに変化してきてるか。50代、60代に比べて、今はこの能力がこれだけ下がってきたので、ちょっと危ないかなとか。定期的な変化を本人にお伝えする制度というのが理想なのかな」
運転免許を持つ65歳以上は、およそ1900万人。地方では車が生活に不可欠という現実もあり、高齢ドライバーの問題は、社会全体で議論していくことが求められています。
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