ロシアの民間軍事会社が傭兵を募集 ウクライナ東部で新たな動き?【Nスタ】|TBS NEWS DIG

ロシアの民間軍事会社が傭兵を募集 ウクライナ東部で新たな動き?【Nスタ】|TBS NEWS DIG

ロシアの民間軍事会社が傭兵を募集 ウクライナ東部で新たな動き?【Nスタ】|TBS NEWS DIG

ロシア側がウクライナ側へ要求していた「兵士の投降期限」が過ぎました。ロシア国内では民間軍事会社が傭兵募集をはじめたという情報もあります。こうした動きはどんなことを意味するのか?今後、考えられる展開について、専門家に伺います。

井上貴博キャスター:
今回のポイントは2つです。

(1)兵士の投降期限が過ぎる・・・
(2)ロシアの民間軍事会社は傭兵を募集この2つの動きについて見ていきます。

兵士の投降期限は、日本時間の17日午後7時に設定されていました。ロシア国防省によると、マリウポリにいるウクライナ軍に対してこの時間までに武装解除し、投降しなさいという要求でした。ウクライナ軍の拠点の製鉄所について「最大400人の外国人の傭兵がいる」「抵抗が続けば全員殺害することになる」というふうに警告を発していました。

ウクライナのシュミハリ首相は「まだマリウポリは陥落していない。現時点で我々の兵士はマリウポリにいて最後まで戦います」投降、降参するなんていう考えは全くない、ということを発信したんです。

マリウポリの現状については、マリウポリのボイチェンコ市長は「これまでに2万人以上の市民が犠牲になっている」と4月15日の時点で発表していました。市内にはまだ10万人以上の市民が取り残されています。戦争が激化することで、市民の犠牲が増えることが懸念されているわけです。

■停戦交渉の行方は・・・

井上貴博キャスター:
交渉についてどういうことが言えるんでしょうか。

ウクライナのクレバ外相は、「停戦交渉においてマリウポリがレッドライン=超えてはならない一線になるかもしれない」と述べ、ゼレンスキー大統領は「マリウポリで我々の兵士が全滅すれば、ロシアとの停戦交渉が中止されるだろう」と、交渉なんてできる状況にはなくなるぞ、ということで警告を発しています。

戦争研究所によると「停戦交渉は事実上破綻した」と4月15日の時点で分析がなされています。

慶應義塾大学の廣瀬陽子教授は、ロシアとの停戦交渉について、「ロシアが現状打破の手段として化学兵器や核兵器を使用することが現実味を帯びてきている」というふうに話しています。

ホラン千秋キャスター:
広瀬さん、ウクライナとロシアそれぞれ、今どれくらい攻め込まれている・攻めている、どんな状況にあるのでしょうか?

廣瀬陽子教授(慶應義塾大学総合政策学部教授):
どちらも追い込まれている状況だと言えると思います。ロシアはロシアで、5月9日までに何らかの大きな戦果をあげなければいけないというところで追い込まれておりますし、ウクライナはウクライナで、このマリウポリを何としても守りたい、そうしなければこのドネツク全体が崩れるというような非常に大きな危機感にあるわけですけれども、本当にもう陥落直前というような状況にありまして、非常に厳しい局面だといえると思います。

ホラン千秋キャスター:
ロシアの考えとしてなんですが、マリウポリの制圧したとみられる地域をどんどん広めていって、使うか使わないかわかりませんが、化学兵器であったり核兵器という選択肢もあるというふうに考えると、ロシアはまだ本気を出していないんだぞというスタンスなのでしょうか?

廣瀬陽子教授:
そういう見方もできると思いますが、他方でやはり核兵器、そして核兵器を使うというのは、本来、国際法的にも許されない行為です。そこに踏み込んでいくというのは、やはり相当追い詰められたからこそと言えるわけでして、やはり相当、ロシアもつらい局面にあるということはもう間違いないと思います。

ホラン千秋キャスター:
ウルヴェさん、ただロシアという国は本当に何をするかわからないという意味で、これまでの2か月間ぐらいを振り返っていきますと、私たちも恐怖を感じますので、本当にどうなるかわからない怖さがありますよね。

田中ウルヴェ京 スポーツ心理学者(博士):
そもそも、交渉出来る相手ではないということが、つくづくわかることは残念なことです。大前提としてそれぞれの国で利害関係があるのがあたりまえで、だからこそ国際法があって、世界的秩序が守られるようにしていた。それを努めるのはリーダー側。そのリーダー側が交渉ではなく、勝手に侵略をしていくということで願いをかなえようとするということをやり出した。本来、交渉してほしいのですが、ウクライナがこのように言うのも残念なことです。プーチン大統領が交渉という当たり前のことをやってほしいということですよね

■ウクライナ東部で新たな動き?ロシアの民間軍事会社「ワグネル・グループ」とは?

井上貴博キャスター:
まったく外交交渉が出来ない中で、ロシア側の動きをお伝えします

▼イギリス国防省は、ウクライナ東部においてロシアの民間軍事会社“ワグネル・グループ”が傭兵1000人以上を派遣したと発表しました。

▼戦争研究所(4月17日)は、その後、更新された情報としては、グループのトップらが新たな傭兵募集などのため、ウクライナ東部に入り活動している可能性があると発表しています。

“ワグネル・グループ”というのは、プーチン大統領とつながりがある民間軍事会社であることが分かりました。2014年以降のクリミア侵攻などの戦闘にも参加しています。シリアの紛争地では拷問や処刑に加担、去年12月にEUが制裁対象に指定しています(Newsweekなどより)。

▼ドイツ有力誌「シュピーゲル」は、ワグネル・グループが今回の侵攻ではキーウ近郊のブチャでの民間人殺人に関与した。と報じています。

“ワグネル・グループ”が傭兵を募集する意味について、ゼレンスキー大統領は「ロシア軍は近くウクライナ東部で攻勢作戦を行うための準備をしているのではないか」と。東部や首都でも爆撃が再開されたとの情報もあります。そこに出てきたワグネル・グループの動きです。

ホラン千秋キャスター:
この“ワグネル・グループ”なんですが、一般市民の立場からどのようなグループと言えるのでしょうか?

廣瀬陽子教授:
本来ロシアでは、民間軍事会社は禁止されていて、ロシアの中では民間軍事会社以外で登記されているか、ワグネルなんかは外国に登記されている。なので、本来ロシアに存在しない会社なんですが、それゆえに、非常に残虐な行為をさせるが、ロシアは責任を負わないということで使っているというようなことがありました。ですので、市民から見ると存在は知っているが、国家のものとは考えていないというスタンスになっていると思います。

ホラン千秋キャスター:
このグループの動きがあったことについて、どのように分析していますか?

廣瀬陽子教授:
非常に懸念をしています。なぜなら、あらゆる残虐行為をする可能性があるからです。東部で明らかに残虐な行為を行い、それによってウクライナをどんどん追いつめていく展開が予測されます。

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